コーラ生活vol.1

コーラ生活
vol.1

コカコーラが好き!死ぬほど好き!あの赤い魔物のような洗練された魅惑のボディ、蓋を開いた瞬間にほとばしる極上のサウンド、まるで地域の神輿祭りのように賑やかに近づいてくるシャワシャワという小気味よいサウンド。全てが極上で最上級で、それ以上でもそれ以下でもない孤高のポテンシャルを秘めた魅惑のドリンク、コカコーラ。

僕がどれくらいこのコカコーラを愛してるかというと、例えば世界核戦争が起きて草木も死に絶え、生き残った一部の人間で暴力のみが支配する絶望の世界が形成されたとする。そうなった場合、生き残った僕とジュリアは拳王を倒すために荒涼な大地を旅をするのだけど、当然、文明社会の名残であるコーラを巡って骨肉の争奪戦が繰り広げられることになる。アメリカンバイクに乗ったモヒカンがコーラ狩りと称してコーラを持った老夫婦を襲う。「命だけはお助けください」そう懇願する老夫婦に容赦なく襲い掛かるモヒカンの鞭。それを物陰から覗いていた僕とジュリアは正義の怒りに打ち震え、老夫婦を救うためにモヒカンをなぎ倒すのです。ジュリアはテコンドー使いの美少女だ。老夫婦は腰が折れるんじゃないかというくらいお礼をすると、お礼にコーラを受け取ってくれという。そこで僕は言うわけですよ、「それは冥土の土産にとっときな!俺の爺ちゃんもコーラ好きでな」それを見ていたジュリアが僕にゾッコンですよ。その夜は廃墟で暖を取って一夜を明かすことになるのですが、焚き火の向こうでは裸になったジュリアが。「こんなに筋肉だらけの女は嫌い?」「何を言ってる、この救いのない世界をお前が生き抜いてきた勲章じゃないか」「こんなに男に心奪われたのは初めてだよ、アタイ」「ふっ、さあこっちへ」こうして満天の星空の中、僕とジュリアは結ばれるのでした。

とまあ、どこから脱線したのかすら分からず、毎夜僕が寝る前に妄想している内容を赤裸々かつ思いのままに綴ってしまったのですが、それだけコーラを愛しているということは分かっていただけたかと思います。どれだけ愛しているのか例え話を持ち出すと今度は恐竜だらけの星に漂流してしまうので割愛しますが、具体的に言うと、それこそ常にコーラ、いつでもコーラといった具合でコーラを嗜んでいるのです。

飲食店に言った際、食事と一緒に頼む飲み物はもちろんコーラです。喉が渇いたなと自動販売機で購入する飲み物はコーラです。コンビニでは飲みたくなくても「まあ必要なものだしね」ととりあえず数本コーラを購入してしまいます。なんといっても、今のアパートに入居する決定打となったのは、アパートの一階にコカコーラの販売機があったからという徹底ぶり。それだけ僕とコーラは切っても切り離せない、そんな関係にあるのです。

僕が子供の頃、時代はバブル経済に狂喜乱舞していた頃ですが、そんな中にあってコーラは悪しき飲み物の象徴のような存在で御座いました。体に良くない飲み物、飲むと骨が溶ける、薬品をたくさん使ってるから飲むと病気になる、そんなことを言っては子供たちからコーラを取り上げ、そして子供たちの希望と未来と自我すらをも同時に奪ってしまう、そんな親が台頭し始めたのです。うちの母などは「コーラを飲むと気が狂う」とかとんでもないことを言っていました。

幼少時代に徹底してコーラから遠ざけて行う子育てを児童心理学の分野ではコーラコントロールと呼ぶらしいのですが、そうやって育てた子供は自我に目覚めるのが遅く、親離れが遅いといった興味深い研究結果が報告されています。また、このコントロールを行うことにより親の方も子離れをしにくくなるといった、まるで現代社会の病巣を如実に現したかのような側面を持つ事が最新の研究で分かっています。嘘です。

とにかく、少年だった僕にとってコカコーラは自立の象徴だったし、強く大きな自由という翼の代名詞だった。そして自由に浮かれてはきちがえてはならない、責任と義務の象徴だったのです。あのコーラを自由に自分勝手に飲めるようになることは、誰にも咎められない自分という自我の確立、そして何が起きても親を頼れないという心細さの現われだったのです。自由に飲めるほど自分でお金を稼げるようになる、けれども何が起きても自分の責任。親の庇護のもと生活している今はじっと我慢するしかない、そんな思いに駆られ、自由と独立の象徴たる飲み物、それがコーラだったのです。

アメリカでは、どんなに身なりが綺麗で金を持っている人間であろうともクレジットカードを持っていないというだけで社会的信用は地に堕ちるそうです。つまりクレジットカードの審査に適合する社会的信用がない人間と烙印を押され、どんなに他の部分で頑張ってカバーしきれないほどそこで勝負がついてしまうそうなのです。それと同じで、どんなに立派であろうと金を持っていようと、コーラを飲めない人間はダメです。社会的信用は地に堕ちます。まだ親離れもできていない坊やということですから、さっさと家に帰ってママのオッパイでもしゃぶってな!ってなもんですよ。それだけコーラは大人の象徴とも言える飲み物なのです。

今や僕も死に体とはいえ、いっぱしの社会人となりました。リストラに怯えまともに上司と目を合わせられないのですが、少ないながらも給与もいただいて細々と食いつないでおります。言うなれば一人の人間として完全に独立し、好きな時に好きなだけコーラが飲める生活を勝ち取ってしまったのです。僕を咎められる人間などどこにもいやしない。

この自由と自立を手に入れた時、絶対にやってみようと心に決めていたことが一つあります。それは「コーラを飲むと体に悪い」「骨が溶ける」「気が狂う」といった固定概念を自民党のごとくぶっ壊すこと。コーラは素晴らしい飲み物なんだ、自立と自己責任の象徴たる最高の飲み物なんだよ、と広く世界に伝えること。それがコーラに救われた僕にできる精一杯の恩返しだと思う。

というわけで、コーラを飲み続けても死にません、気も狂いません、逆に青汁の如く良い飲み物です、と伝えるため、本日2006年1月11日から1ヶ月間、コーラしか口にしない怒涛の生活を展開してみます。で、その様子をこのブロマガ内で週一のペースで報告。途中で連載が止まったら死んだと思ってください。

patoの1ヶ月コーラのみ生活
ルール
・期間は1月11日夜9時から2月11日夜9時まで
・コーラ以外口にしない(水は可)
・もちろん食物もコーラのみ
・コーラを利用した料理をする際の調味料は良しとする
・他の物を口にしたら負け、頭を丸刈りに
・ドクターストップがかかったら負け、頭を丸刈りに
・どうしても必要な栄養素をとる場合のみ、サプリメントの服用可

ちなみに、コーラの缶に書かれている栄養成分を挙げておきますと、コーラ100mlあたりエネルギー45kcal、炭水化物11.3g、ナトリウム7mg、たんぱく質や脂質などは0という武士のような潔さ。これだけ栄養成分があれば普通に生活していけます。

次に1ヶ月コーラ生活の前に地域の健康センターで調べてきましたので僕の体の諸データーも併せてどうぞ。これが1ヵ月後にどう変わってるのか必見です。

・29歳(今年30歳に!)
・身長188センチ体重86キロ(すごい太っててビックリした!)
・血圧166-121 脈拍78
・糖尿病の疑いありで医師に注意された経験あり
・視力が悪い

コーラの持つ悪い固定概念を払拭するため男は孤独で長い戦いに乗り出した。それは男が自立したことを証明する自分自身との戦いでもあった。拳王を倒すためジュリアとの戦いの旅は始まったばかりだった。次回に続く。

次回はコーラのみ摂取して1週間過ごした男の成れの果ての報告です。またコーラを使った料理のレシピを「patoちゃんの簡単料理レシピ」として掲載予定、乞うご期待!

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