ジュウテツ

ジュウテツ

従兄弟の娘ってなんて呼ぶんだろうって急激に気になってしまい方々手を尽くして調べてみたところ途方もない衝撃の事実が僕の目に飛び込んできたのです。自分の兄弟の娘とかだと姪(めい)と呼ぶわけで、なんとも響きがかわいらしく、その音からロリの匂いすら漂ってきていたく興奮するのですが、なんと、従兄弟の娘となると従姪(じゅうてつ)と呼ぶそうです。一気に何か岩石的な堅い呼びに変化、鉄道マニアの気品すら漂ってきます。

兄弟の娘ならばメイ、従兄弟の娘ならばジュウテツ、同じロリっ子であるに違いないのにこのクラスチェンジは大変解せないものがあります。ちなみにその従兄弟の娘の娘ともともなると従姪孫(じゅうてっそん)と呼ぶらしく、何か中国の偉い人のような、三国志に出てきても何らおかしくない呼び名に変化します。同じロリっ子なのに血の関係が遠くなるほど呼び名がお堅くなっていく、こりゃあ従兄弟の娘の娘の娘とかになったら国家公務員とかそんなお堅い呼び名になってるのかもしれません。

さて、なぜ従姪の、いや従兄弟の娘の話題から入ったかといいますとね、最近僕の中で異常に従兄弟の娘が熱いんですよ。言ったかどうかわかりませんけど、僕には同じ年の従兄弟がいましてね、まあ、小さい頃からイケメンのナイスガイ、高校時代はバンドとかやってて女の子にキャーキャーってな感じのとても僕と血が繋がってるとは思えない従兄弟がいたんですよ。

まあ、幼い頃から彼は親戚中のスターダムで、中学時代だけ同じ学校に通ったんですけど、従兄弟は女の子に大人気、すげえカッコイイ!とか女子の話題の的でしてね、僕は僕でとんでもアニマルなわけで別な意味で女子の話題の的、それが従兄弟的にNGだったのかいつだったかの法事の時に「お前、恥ずかしいから学校で話しかけるなよ」って言われちゃいましてね、どうも従兄弟だと思われたくなかったみたいでして、その事実に微妙にブルーになったのを今でも覚えています。

そんな従兄弟ですが、この間帰省した時に会いましてね、実家で何をトチ狂ったのか食用カエルの刺身を食わせようと奮闘している親父の魔の手をかいくぐり、命からがら従兄弟に会いに行ったわけなんですよ。

もう何年会ってないかも分からない、彼が今どうしているかも分からない、それでもやっぱ従兄弟として幼き日を一緒に過した仲じゃないですか、話しかけるなとか言われたりもしたけど、やっぱり微妙に血の繋がった従兄弟じゃないですか。というわけで会いに行ったんです。

いやー、行ったらビックリしたね。やはりまあ、従兄弟は僕と同じ歳ですからやはり彼も31歳となってるわけなんですよ。かっこよかった彼もさぞかしオッサンになってるだろうな、なんて思ってたら普通にカッコイイじゃない。それどころか齢31にして家とか建てちゃったりする奮闘ぶり。奥さん美人だしリビングのテレビでかいし庭にゴルフの練習セット置いてあるしでもうコイツに勝てる気がしない。

あのですね、田舎とはいえ31歳にして家ですよ、家。僕なんか近所のスーパーに夜8時に行って惣菜に半額シールが貼られるの待ってるんですよ。31歳にして住宅ローンに子供の習い事にとか悩んでるんですよ。僕なんか近所のコンビニの深夜枠にヤンキーのバイトが入りましてね、お弁当買って「温めっすか」とかぶっきらぼうに聞かれて「はい」って答えたら「チッ」ってヤンキーがあからさまに不快感を顕にしてですね、妙に気を使った僕が「あっ、やっぱいいです」って引き下がる始末。毎日冷たい弁当食ってるのが悩みなんですよ。

まあ、そんな人生の勝ち組とか負け組みとかそういったことはこの際忘れて今日も楽しい楽しい日記の続きを書こう、例え涙が溢れようとも書き続けようって思うんですが、その従兄弟の娘っ子、つまり従姪(じゅうてつ)がもうカワイイんですよ。かわいくてどうしようかってくらいにもうたまらんのですよ。

いやいやいや、決してロリ的要素で言ってるわけじゃなくて、宮崎美子さんとか岡江久美子さんとか熟女も好きなんで決して生粋のロリってわけじゃないですよ。ただ、こんなカワイイ幼女が従姪(じゅうてつ)とはいえ自分と血が繋がってるってのが凄い妙な気分で愛おしいんですよ。

なんか従兄弟の家で嫁のマズイ手料理食わされててですね、元がなんだったのか分からない複雑怪奇な茶色い物体を食べるんですけど、そこでも幼女はお手伝いとかしててね、フリフリの服を着て目をクリクリさせてるんですよ。何か知らないけどすごい楽しそう。

そういえば僕が子供の時も家に客が来ると何か妙に楽しかったな。なんであんなに楽しかったんだろう。結局いつもと違う非日常が嬉しかったんだなって感じたんです。

でまあ、僕と従兄弟は酒まで飲んでしまって大変な状態、でもなんか従兄弟は住宅ローンのために休みの日も仕事に行かなければならないらしく、「仕事いってくるけどゆっくりしてってよ」と言い残して颯爽と出かけてしまいました。

そうなると、残された奥さんと、あの料理が超絶的にまずい奥さんと淫らな行為に走るかと思いがち、「あの人とは全然ご無沙汰、ああああああ、久しぶりよー!」ぶしゅーってなるかとも思ったのですが、全然そんなことなくて奥さんは普通に大忙しな感じで家事してました。

そうなると僕と幼女、まあリサちゃんっていうんですけど、二人で遊ぶことになりましてね、なんか一緒にプリキュアを見ようってことになって大画面テレビでプリキュア見ましたよ。なんかいつの間にかプリキュアが5人に増殖していてセーラームーンみたいになってるんですけどリサちゃんは大喜び。さらにその横で僕が「メップル」っていう初代プリキュアに出ていた奇妙な小動物のモノマネをするもんですからリサちゃん大喜びですよ。

いやー、こんなに喜んでもらえるとやりがいがあるってもんですよ。会社の忘年会で同じモノマネした時なんて誰も微動だにしなかったからね。それどころかその後、誰も話しかけてくれなかった。忘年どころか色々と忘れ去りたい過去だけど、リサちゃんは大喜びっすよ。

その後もWiiとかいう未来から来たゲーム機で楽しんだりと大変有意義な時間を過しましてね、あっという間に長居してしまったので帰ることにしたんですよ。そしたらリサちゃんが泣いちゃってね。玄関まで見送りに来てちっちゃい手を振ってるんですよ。もうカワイイったらありゃしない。

そんなこんなで涙涙のお別れを経て、実家に戻ったら親父がまだ食用カエルの刺身作ってて食え食え言ってきましてね、もうどうしようもないんですけど逃げるように実家からも逃亡してまたいつもの日常へと戻ったわけなんです。

で、いつものように仕事しつつ、リサちゃんは本当にかわいかったなあ、あの嫌な従兄弟の娘とは思えないくらいかわいくていい子だった。あんな幼い子も時間の経過と共に成長していき、どこの馬の骨か分からない男と付き合ったりするんだろうな。切ない恋に身を焦がれアユの歌を聞きながら夜空を見上げて涙したりするんだろうな。そんなリサも結婚、相手は職場の先輩、結婚式では暴走する友人たちの横で僕は泣いちゃうかもしれんぞ。で、リサちゃんもお母さんの血を受け継いで料理へたでね。

とか悶々とリサちゃんの将来を考えながらパソコンに向かっていたら目頭が熱くなってきちゃいましてね、時間の経過ってのは儚く美しい、だから時に優しく時に残酷だ、なんて悟りを開いていたんです。そしたら携帯電話に着信が。

見ると従兄弟からの着信でして、なんかやばいことしたかな、お前俺がいない間に嫁の尻を触っただろ嫁が泣きながら告白してきた、とか言われたらどうしよう、そんなことしてないけど干してある嫁の下着を興味深く見つめていたのは事実だ、それを指摘されたら言い逃れできない。と戦々恐々としつつ電話に出たんです。

「なんか娘がお前と話をしたいらしくて、ちょっと変わるわ」

と従兄弟がぶっきらぼうに言うじゃないですか、で、娘のリサちゃんに変わるんですけど、あんまり電話ってしないんでしょうね、すごい緊張しながら話をするんですよ。内容は他愛もないもので、今日プリキュアに出てきた敵が強くてとかそんな話、職場のブスがそんな話してたら間違いなく脳みそ煮るんですけど、リサちゃんなら話は別ですよ。

「へえー、すごいねー」

とか僕も満面の笑みですよ。

それからというもの、どうも従兄弟に簡単な電話のかけ方を習ったみたいで、多分ボタン押したらかかるみたいな設定にしたんでしょうけど、結構な頻度でリサちゃんからダイレクトに電話がかかってくるようになったんですよ。で、たぶんお母さんか何かに「patoおじさんはお仕事してるんだからあまりかけちゃダメよ」とか怒られたんでしょうね、かかってくるたびに

「リサです。おしごとおわりましたかー?」

とかかかってくるんですよ。舌ったらずな感じでかかってくるんですよ。もうカワイイ。そんなもん仕事していられるか。

「全然大丈夫だよー、今日はどうしたの?」

とか、思いっきり職場で打ち合わせとかしてるのにリサちゃんと戯れるわけなんですよ。結局、話の内容はプリキュアとかなんですけど、そうなるとリサちゃんを喜ばせるためにまたメップルのモノマネしなきゃいけないじゃないですか。

「今度はいつ来ますかー?」

みたいなこと言ってるリサちゃんに

「リサちゃんがいい子にしてたらまた行くメポー」

とか職場のデスクでメップル発言する僕の身にもなって欲しい。打ち合わせしていた同僚が目を丸くして「ああ、この人ついに狂うたか」って顔してるじゃないか。

そんな折、またいつものようにリサちゃんから電話がかかってきたんですけど、なんでもリサちゃんはもう少しで誕生日らしい。そうなると僕も

「リサちゃんは誕生日なにが欲しいメポ?」

とか、職場で顔を真っ赤にしながら聞くんですけど、そうすると遠慮がちにいうわけですよ。たぶん子供心に僕の財布を案じて言うわけですよ。

「リサは小熊ちゃんが欲しい」

ニンテンドーDSとかPS3とか言われたらどうしようかと思ったのですが、どうも小さな子が欲しがる安い物っぽいです。これならいくらでも買ってあげられるので

「いい子にしてたらプレゼントするメポー!」

と自分、職場で何やってるんだろうって思いながら返答ですよ。しかしまあ、その小熊ちゃんってのが何なのか全く分からないので色々聞くんですけど、どうやら何か本か絵本のたぐいなんですよ。

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あとから分かったんですけど、このカワイイ表紙の本がリサちゃんの欲している絵本みたいで、ちょっとリサちゃんより低年齢向けっぽいんですけど、なんかこのシリーズを集めてるみたいなんですよ。こういった絵本で「こぐま」が出てくる話の絵本がいっぱいあるみたいなんです。こんなもん800円くらいですからね、そんならリサちゃんのために何冊でも買ったるわって思うじゃないですか。

しかしですね、今はこうして欲しいものがわかってるんですけど、その時はリサちゃんの話が全く要領を得ないものですからサッパリ意味不明だったんですよ。「小熊」「本」「シリーズ物」この3つのキーワードしか分からないんです。

もうどうやってもリサちゃんが望むものを買える気がしないんですけど、それでもやっぱ喜ばせてあげたいじゃないですか。なんとかしてプレゼントしてあげたいじゃないですか。そこは従兄弟に電話して何が欲しいのか正確に聞くのが一番なんでしょうけど、そうなると絶対に遠慮して「いらない」とか言うに決まってます。ここはなんとか「小熊」「本」「シリーズ物」の3つのキーワードから探し当てないといけません。

まずは、どう考えても本には間違いないので颯爽と本屋に赴きます。本のプロである店員ならば多分わかるだろうと思い、カウンターに行って尋ねます。

「あのすいません、幼い子が読むような本で、熊が出てくる本ってありますかね。なんかシリーズものらしいんですけど」

すると店員のメガネお姉さんは難しそうな顔しましてね、何やらパソコンに向かったり台帳みたいなものをパラパラめくって困惑顔。それでも見つかったみたいで、「これかな……」とポツリ。で少々お待ちくださいと言い残して店の奥に消えていきました。

しばらくして何やら本を抱えて帰ってきたメガネお姉さん。颯爽とカウンタに本を置きます。

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そこにはこんな感じの熊が表紙になってる本が。

いやね、僕もこんなこと言いたかないですよ。そこまで責め立てたかないですよ。でも普通に考えて欲しい。何も特別なこといってない、普通に考えて欲しい。プリキュアに夢中になる年代の女の子が、こんな熊が猛り狂ってる表紙の本を読むと思うか。ホント、脳みそ煮るぞ。

「これはちょっと違うような……」

「でも熊ですし、シリーズ物ですよ、色々な動物の生態というか写真集という感じで出されてまして……」

いやいやいやいや、熊とシリーズ物はあってるけど幼い子は読まないだろ、これ。って思うんですけど店員めがねっ子お姉さんのスパークは止まらない。ヒートアップしてきて同じシリーズのアライグマ編とか出してきやがった。ホント、いい加減にしないと、メアド交換してドキドキのメール交換、ワクワクの初デート、でもなかなか手は出さないで私って大切にされてるのねって思わせて、夜景の綺麗なレストランで給料3か月分の指輪を渡してプロポーズ「絶対に幸せにするから」新婚旅行はアメリカ西海岸で、平穏だけどどこか安心できる結婚生活を過して子供も育てて、何不自由ない幸せな結婚生活、毎年の結婚記念日にはバラの花束をプレゼント、たまには家族で温泉に行ったりしてね、で、20年後の結婚記念日に「グハハ、バカめ!最初からお前とはブラフで結婚したんだよ、全然愛してないよ、幸せだったかい?」ってカミングアウトしてやるぞ、ホント。

とにかく、色々な本屋に行くんですけど全然見つからなくてですね、そりゃ「熊」っていうヒントだけじゃあ難しいんですけど、どうしよう、このままじゃリサちゃんの喜ぶ顔が見れないよって心底落胆したんです。

でもね、こういう探し物って大体がそうじゃないですか。ここにはあるだろうって大型店舗なんかに探しに行っても見つからない。で、諦めたくらいに適当にブラッと、それこそこんな店にあるのっていうマイナーな店に行ったら発見したりするじゃないですか。

ということは最初からマイナーな本屋を探せばいいじゃないかってことで、国道の脇にある怪しげな本屋に行ったんですよ。皆さんがお住まいの街にも多分あると思うんですけど、なんか「アダルト」「DVD」「高価買取」とかの文字が躍ってる怪しげな本屋がないですか。微妙にマイナー臭のする怪しげな店舗がひっそりと建っていませんか。こんなところに幼子が好む本があるとはとても思えないんですけど、とにかくヒョッコリとあるんじゃないかって期待して店内に足を踏み入れたんです。

入ってみると普通の店舗で、普通に名探偵コナンの最新刊とか置いてあるんですけど、やっぱりよくよく観察するとどこかおかしい。「同人誌高価買取中」とか勇ましい謳い文句の張り紙が平然と貼ってあるんですよ。で、その奥にはズラーッとエロマンガや同人誌が大名行列ですよ。

しかも店員もすごくて、メガネで長髪のヒョロい感じ、別にオタクテイスト漂う外観はいいんですけど、そのレジの奥にオタ仲間みたいな、どう見ても店員じゃない人間が複数いるんですよ。で、客そっちのけでアニメ見ながらみんなで熱心に議論してるの。客商売を舐めてるとしか思えない。何言ってるんだか言語が理解できないんで分からないんでアレなんですけど、とにかく「今期のアニメは……」とかオタク談義に華を咲かせてるんですよ。

で、非常に遺憾だったんですけど、おずおずとレジに近づいてヒョロい店員に話しかけたんですよね。

「あの……本を探してるんですけど……」

そしたらヒョロいのが中指でクイッとメガネを直しながら

「どういったのをお探しで?」

とか言うてるんですよ。で、その奥ではオタ仲間がアニメ見てゲハゲハ笑ってるの。何か知らないけど無性にムカムカする。

「熊が出てくるヤツでシリーズ物らしいんですけど……」

「ふむ……」

とかヒョロ店員が腕組みで考えてるんですよ。でもやっぱり彼のデーターベースの中に該当する本はないみたいで

「せめてジャンルがわからないとね、フフン」

みたいな、なぜか自信たっぷりに言いやがるんですよ。で、それを聞いていた奥のオタ仲間が

「違いない!」

とか言い出して大騒ぎ、別に彼らは全く悪くないんですけど異常にムカついちゃいましてね。さらに創作がどうのとか二次創作がとかサークルとか訳の分からないこと言い出しましてね、僕も僕で少し挑発的になっちゃって

「そうですか、この店なら見つかると思ったのに……」

的なガッカリしたぜって感じを醸し出してみたら、ヒョロ店員とオタ仲間たち(Tシャツにラッキーストライクって書いてあった)が何故か発奮しましてね。

「そういうことなら探しましょう!」

と店員と僕とオタ仲間総出で店内を捜索ですよ。なんとか熊っぽい本はないかと大捜索。まあ、この、店マンガの最新刊とエロ同人誌とエロ本しか置いてないんで、どう考えても幼女向けの本があるわけないんですけど、こうまで探してもらえるとなんか気持ちいいじゃないですか。

「ないなあ」

「ないねえ」

多分、彼らは熊が出てくるエロ本的なのを探してるんでしょうけど、なかなかそういったものがない様子。

「そういえば、熊じゃなくて小熊って言ってました。小熊ちゃんって」

と、ここで僕が最も重要な情報をカミングアウト。するとオタの一人が何か天啓を受けたかのように閃いたみたいなんです。

「そういえば確か……」

オタが持ってきたのが見紛う事なきエロ本ていうかエロマンガで、表紙にドバーッといかがわしい液体をぶっかけられてる女の子が書いてあるんですけど、この主人公の名前が「こぐま」らしいんです。

「まさに「こぐまちゃん」じゃん!」

と思うんですけど、そこで僕が

「探してるのはシリーズ物らしいんだけど……」

と言うとオタが得意気な顔で何冊か出してくるじゃないですか。

「これ、シリーズ物だよ」

ホントにシリーズになってるみたいで主人公こぐまちゃんのエロ本が3冊くらい出てくるんですよ。本気でシリーズ物なんですよ。あの時のオタの得意気な顔を僕は一生忘れないよ。

もうエロマンガって時点で明らかにリサちゃんが望んだものとは違うんですけど、こぐまちゃんだしシリーズものだしっていうんでこれにするしかなく、というか、ぶっちゃけると探すの面倒になっちゃいましてね、もうこれでいいやって買って帰っちゃったんですよ。

家に帰って、さあリサちゃんに送るぞって買ってきた本をめくるんですけど、さすがにこれはひどい、と思いましてね、内容は何か主人公の「こぐまちゃん」アルバイトマニアで色々な場所でバイトするって話なんですけど、そこでオムニバス形式で様々な陵辱を受けるんですよ。メイド喫茶で客に過度の奉仕をさせられたり、フライドチキン店でゴキブリは揚げてませんでしたけど3ピースくらい入れられたりしてね。「こぐま変になっちゃうー!」とかいってんの。こんなの幼女に見せるわけにはいかない。

仕方ないんでね、エロいページは全部マジックで修正しましたよ。200ページくらい。その結果、内容はまっくろくろすけになっちゃって何が何やらわからないんですけど、とにかくこれでOK。早速リサちゃんに宅配便で送っておきました。リサちゃん喜んでくれるに違いないで。

それから数日して従兄弟の番号から着信があり、おお、プレゼントが届いたリサちゃんからお礼の電話かな?と意気揚々と電話に出て

「リサちゃん、プレゼント届いたメポ?」

「ふざけんじゃねー!娘になんてもの送りつけるんだ!殺すぞ!」

と電話の向こうには修羅と化した従兄弟が。あまりの怒りっぷりに僕ももうどうしていいのか分からず

「こ、小熊の本、メポ……」

とか言うと

「メポじゃねえよ!ふざけんな!死ね!二度と娘に近づくな!」

とんでもなく怒られました。

従姪(じゅうてつ)であるリサちゃんを愛するあまり僕の行為がエスカレートし、こぐまちゃんのエロ漫画を送りつけるという暴挙に発展、怒り狂った従兄弟によって僕とリサちゃんの仲は引き裂かれてしまったのです。

愛する対象を自らの愚かな行為で失った人の痛みがわかりますか。愛するリサちゃんを、愛する従姪を。何かポッカリと心に穴が開いて、それなのに心が重い、まるで心に重い重い鉄が詰まってしまったようだ。重い鉄だけに重鉄とか。いつになく酷いオチだメポ。

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