口唇期

口唇期

いやー、まいったまいった。

何がまいったかなんですけどね、ほら、先日オナニー世界記録に再挑戦するって表明したじゃないですか。24時間で36回オナニーという記録に血気盛ん、何も怖れることを知らない少年のような瞳で挑戦するじゃないですか。

24時間で36回オナニーとかもう人間じゃなくて、オナニーの精霊、精子の精みたいなもんですから、あ、いま思いがけず上手いこと言えたね、とにかくとてもじゃないが苦しい戦いになることは目に見えてるんですよね。

でまあ、少しでも記録達成を楽にしようと貯蔵モード、つまり挑戦の日までオナニーを禁じ手として、性的なものやら溢れる衝動なんかを貯めに貯めてるわけなんですけど、今日で禁オナニー1週間、そろそろ限界なんですよね。

だいたい14歳くらいの時にオナニースキルを習得し、30歳となる今日まで16年間。日数にして約5800日くらいになり、日に平均4.5回とすると26000回ほどのオナニーを潜り抜けてきた計算になります。僕はね、嫌なことがあるとオナニーするんですよ。オナニーして、なんてバカらしい!ってくよくよ悩まずに前向きに生きていく、そうやって生きてきたんです。

そこまでやりにやってきた僕が、ミスターオナニーの名を欲しいままにしてきた僕が、先週の挑戦宣言以来1週間もやらないってのは大事件なわけでして色々と弊害がでてきてるんですよね。もちろん、嫌なことがあってもオナニーできませんから立ち直る術がなく、いつになくクヨクヨしてるってのも弊害ですが、それ以上に深刻なのが思想の問題。

禁オナニー初期、普段からボーっとしてるんですけど更にボーっとしてる時間が長くなりましてね、気がついたらオナニー体勢にスタンバってて、いかんいかん、となる体たらく。だいたい4日くらい経過した頃から考えることはオナニーのことばかり、ここで勘違いしないで欲しいのですが、決してエロなことを考えるわけではなく、あくまでオナニーのことばかり考えてるのです。

例えば、最新鋭のコピー機が僕のオフィスに配備されたんですけど、ここでまあ、下賎なエロおっさんとかでしたらOLを裸でコピー機に乗せて「課長、恥ずかしいです」「いいではないか、ほれ、カラーコピー」「いやああ」とか大変興奮するんでしょうけど、僕はそんなエロに興味がない。とにかくオナニーにしか興味なくて、コピー機に挟んでコピーオナニーしたい、で、その過程を連続コピーしたい!両面コピーしたい!とか考え出す始末。ホント、色々と終わってる。

で、1週間経過の今は、もっと末期的でして、ホームセンターを丸一日借り切って、工具を使った色々なオナニーをしたい、チェーンソーとかなどと1日中考えてる始末。頭の中に一足早く開花宣言が訪れたとしか思えません。

でまあ、こんな脳ミソがオナニーに侵食された状態だと色々と困るわけでして、日常生活や仕事なんかはさしたる問題じゃないんですけど、とにかくこの日記執筆が困って困って仕方ない。やはり文章ってのは自分の考えが大きく反映されるものですから、書き手がオナニーのことしか考えてないと内容もオナニー三昧になってくるんですよ。

先週から何本か日記を書こう書こうと書き始めてみるのですが、それらが見るも無残にオナニー関連のお話になっていくという体たらく。

たまにはシリアスなお話でも書いてみんなを涙の海に沈めてやろうと、「葬祭ホールの梶川さん」というお話を書いた時がマックスに酷くて、子供の頃にウチの近所に葬祭ホールが建設されることになって、まあ、昔ですし田舎ですし、葬式なんてのは家でやるもんだ、それが地域の繋がりってもんだって思想が根強く、大きな建設反対運動が巻き起こったんですよね。

おまけに、葬祭ホールなんてできたら地価が下がってしまうみたいな噂が広がって、近所中の人たちが噂したもんだからムーブメントは更に大きくなり、ウチの親父なんて反対運動の集会にチェーンソーもっていくという訳の分からない行動をしてたんですよ。

僕と弟は建設予定地の空き地で遊んでいて、そこで梶川さんという20代半ばの人が一緒に遊んでくれたんですけど、そのうち、彼がその建設予定の葬祭ホールの人だって分かるんですよね。

反対派の大人たちと、梶川さんの優しさの中で翻弄されていく僕と弟。大人たちのエゴの板ばさみとなって苦悩する少年。そして、もう一人謎の少年が登場する。それは仕組まれた子供だった。

最終的には紆余曲折があって涙で梶川さんを見送る感動のラストがあるわけで、まあ心が氷で構成されてない限り間違いなく泣ける話なんですけど、そんなのを書いていても書き手がオナニー奴隷だと大変な騒ぎ。

泣ける話のはずなのに、中盤くらいから「それにしても今思うと梶川さんはどんなオナニーをしていたんだろうか」と回想シーンに突如悪魔の言葉が割り込んでくる。「小さな僕の背丈ほどありそうな雑草を刈りながら「仕方ないよ」梶川さんはそう言った。その言葉が僕の小さな胸をギュッと締め付けた。それにしても今思うと梶川さんはどんなオナニーをしていたんだろうか」。文章がぶっ壊れている。あまりの突拍子のなさに、精神的に重荷を背負った人の文章みたいだ。

そっからはもう、梶川さんとかそっちのけで葬祭オナニーについての大妄想大会。棺桶の中で・・・とか、棺桶に入れるドライアイスで・・・とか、神妙な坊さんの横でやったらどんなに素敵か、みたいなことのオンパレード。いい話台無し。最終的には生の象徴であるオナニーと、死の象徴である葬祭ホールの板ばさみで蠢く葬祭オナニー、みたいな書いてる本人も意味不明な結末に。別の意味で泣ける日記に仕上がってる。

これではいかんいかん、と思いましてね、これはボツにして別の話を書こうと、会社の送別会の幹事に任命された話を書き始めたんです。もうそういったことが全国各地で行われる時期なんでしょうけど、まさか自分が幹事に任命されるとは。

で、比較的中堅の社員の人がヘッドハンティングされて辞めるっていうんで送別会をやることになったんですけど、ぶっちゃけていうと、僕はその人に嫌われてて結構いじわるされていたんであまりいい気はしなかったんですよね。正直に言うと性格悪くて申し訳ないんですけど、辞めてせいせいすらあくらい思ってましたからね。

でもまあ、せっかく最後の旅立ちの時だ、ちゃんと送ってあげないとなと考え、職場の連中から会費を請求する集金マシーンとなり、贈る花束と記念品も手配するという用意周到ぶり。で、あとは送別会の店を手配するだけになったのですが、これがとにかく難しい。

僕は普段からほとんどお酒を、ましてやどっかの店に行ってグラスを傾けるってことをしない人間ですから、馴染みの店があるわけでもなく、どの店がいいのか全然分からないんですよ。

仕方ないので同僚に「どの店がいいのかな?」って情報収集したんですよ。「○○って店がいいよ」などと複数の推薦を頂いて、早速それらの店に電話したのですが、あいにくどの店も予約でいっぱい。やっぱどこでも送別会なんでしょうね、全然押さえられなかったんですよ。

仕方なくインターネットのグルメサイトを見たりなんかしてよさげな店を探したんですが、田舎なもんですからそもそも掲載されている店がかなり少ない。載っていたとしても店の名前と電話番号くらいで実態が見えてこないんですよ。

でもまあ、もう背に腹は変えられませんので適当に店をチョイスしてですね、写真とか諸情報がないですけど「料理が美味しい店です」と書いてあった○○亭という店に電話をかけたんです。店の名前から行ってハイソな料亭に違いないと確信して電話したんです。

「はい、○○亭です」

威勢の良い主人と思わしき人が出てきましてね、僕は早速、送別会の日の空きを聞いたんですよ。

「え?あれ?○○日の空き?そりゃ空いてると思いますが?えっと?まあ、時間によってです」

と、なんとも歯切れが悪い。

「予約できますか?」

「え!?予約!うーん、できないこともないですが」

となんとも意味不明に苦悶してるんですよ。もう腹がたっちゃいましてね、

「じゃあ、予約でお願いします。6時から30名ほどで。コース料理とかありますか?送別会なもんで」

「コース料理はないですねえ、予算はどれくらいで?」

「一人4000円くらいにしようかと」

「じゃあ十分です。大丈夫だと思います」

「じゃあお願いします」

と、やっとこさ予約を完了、幹事としての仕事を全うしたかと思えたんです。しかしですね、送別会の日が近づくにつれて僕の中で妙な胸騒ぎが巻き起こってですね、何か頭の中で警報が鳴るんですよ。で、送別会前に会場の下見をするんだ!と漠然と思ったんです。たぶん、虫が知らせるってヤツだと思います。

で、電話番号と店の名前から地図を調べてですね、仕事をサボって会場の下見をしてきましたよ。そしたらアンタ、問題の○○亭、思いっきりラーメン屋ですからね。ライス大盛り無料とか書いてありました。

冗談じゃない、こんなラーメン屋に料亭みたいな名前つけるなよ、とか、それより送別会って言ってるんだから勘違いに気付けよ、ってかこの店で一人4000円の予算は無理がある、あーあ、とんこつラーメンなんて580円じゃねえか。6杯は食えるぞ。

あのですね、例えば僕が今の職場を辞めるって時に送別会やってくれるとするじゃないですか。その送別会の会場がラーメン屋。そりゃ全員殴り倒しますよ。ホント、良かった、事前に下見しに来てホント良かった。あやうく大惨事になるところだった。

でまあ、こんな感じで話の顛末を書きつつ、最終的にはでも代わりの店探すの面倒だよねってことでラーメン屋の予約をキャンセルしてなくて、すごく怖ろしい、今週末の送別会どうなっちゃうんだって書こうとしたんですけど、もうのっけからオナニーに侵食されてしまって書けませんからね。

最初の、その送別会をする対象の人、つまり辞めるTさんの下りを書き始めた時点でもうおかしい。前述したとおり、僕はあまりTさんに対していいイメージを持ってませんから

「このTさんって人が意地悪な人でとにかく嫌い。嫌なヤツのオナニーってのは嫌なオナニーって相場が決まってるもんで、きっとTなんて途方もないオナニーをしてるに決まってる。絶対、紙やすりとか使ってやってるわ。そうに違いない。最初は1500番くらいの紙やすりだけど、そのうち200番くらいの粗いヤツになって・・・」

後は延々とオナニー漫談ですよ。オナニーしながらエアコンのフィルター掃除とか共産党でオナニーとか、冥王星オナニーとか、書いてる本人すら全く意味が分からないオナニー話になってもう大変。全然送別会の下りに移行できない。最終的には紙やすりオナニー、今度やってみようだから、脳ミソに紙やすりかけたいくらいだ。

これじゃあイカンイカンと、もっと別の話を書こうと、親父がひどく出窓に憧れていて、我が家に無理矢理出窓がつけられた、それも和室に装備されたエピソードを話を書き始めたんですけど、もう親父が出窓でオナニーしたとしたらみたいな、息子として書いちゃいけない妄想を始めだす始末。まあ、この話は親父が出窓からウンコしてた話なのでオナニーが侵食してきても大差はないんですけど、さすがに親父オナニーは心が痛い。悪魔に魂を売り飛ばした僕としてもそれは書けない。

もうとにかく、何を書いてもオナニーになってしまってマトモに書けない。

結局ね、こう見えても僕は落ち込んでるんですよ。そりゃあオナニーできないのは苦しいですし、このままでは性的犯罪に手を染めるのは間違いないんですけど、それ以上にマトモに日記を書けないのが苦しい。いくらオナニーで世界を獲るためだとはいえ、日記が書けないことだけは耐え難い苦痛なんです。

やはりなんだかんだ言っても僕のアイデンティティはこのNumeri日記にありますし、ここでちゃんと日記を書くことこそが僕が僕である唯一の証明だと思ってるわけなんです。なのに、その日記すらオナニーに汚染されていく。これは言うまでもなく自我の崩壊になるわけなんです。それが何より辛いし、何倍も苦しい。

人は自己表現をやめたとき、人ではなく物に成り下がります。長い長い人類の歴史は自己表現の歴史であったと言っても過言ではありません。遥か太古の時より人は人に知って欲しかった。自分という存在を知って欲しかった。現存する多くの書物や壁画、遺跡、古墳など突き詰めれば全てが自己表現であり自己満足なのです。みんな誰かに自分を知って欲しかった。

それにしても昔の人はどんなオナニーをしていたのか気になります。今でこそエロビデオやら何やらとありますが、昔の人はどうやってオナニーをしていたのか。

きっと、古墳時代の人々は古墳を使ってオナニーをしていたに違いありません。前方後円墳オナニーとかスケールがでかくて最高。その時代の位の高い人が古墳を女性器に見立ててですね、もう「わらわのものじゃ!わらわのものじゃ!」と擦り付けていたに違いありません。それを奴隷達が眺めつつ、貴族は羞恥心と独占欲が入り混じる中果てたにちがいありません。古墳は墓だなんてとんでもない、ありゃあスケールのデカいオナホールだ。

ピラミッドとかあるけど、あれもモロオナニーね。しかも日本の古墳と違って頂上がとんがってる。あそこに擦り付けて「わらわのものじゃ!わらわのものじゃ!」と当時の王家の人々は刺激的に果てたに違いない。そのうち、誰かに見られてたほうが興奮するって気付いちゃってスフィンクス作っちゃったりなんかしてね、王家の間でも「ピラミッドがでかい方が気持ち良いらしい」なんて噂が広まっちゃって、先を競って大きいピラミッドを立てたわけね。クフ王なんて果てる時に「クフッ!」って言ったに違いないよ。

あと大化の改新、あれもオナニー。蘇我入鹿オナニーしまくり。それを見た中大兄皇子と中臣鎌足が怒っちゃってね、暗殺した。入鹿の死体を前に鎌足が興奮しちゃって「カマタリ!」とか言いながら抜いたのは有名な話。

2.26事件だってオナニーですからね。2、2、6のリズムでオナニーをしたら気持ちいいって発見した人がいて・・・

そろそろオナニーして寝ます。

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