第2回オナッセイ大賞

第2回オナッセイ大賞

もっとオナニーに対してオープンでいいじゃないか。

誰もが気軽にオナニーを語れる世界にしたい、丸の内のOLが給湯室で前日のオナニーやオススメオナニーを噂するような世界にしたい。学級崩壊に悩む新米先生が生徒たちの心を掴むために授業の最初に雑談でオナニーについて語る世界にしたい。そんな信念に基づいて行われたのが前回の「美しいオナッセイ大賞」だった。

オナニーの話がオープンにできるユートピアを創造するには、まずオナニーの地位を向上させるのが先決であると考えた。オナニーに対するイメージを思い浮かべた時、多くの人が「恥ずかしい行為」「できれば隠したい行為」などと強烈なマイナス傾向を見せるだろうけど、まずそれをプラスの意識に変えることが重要だ。

人のイメージとは簡単に変わりやすいもので、この間、たまたま観たテレビでやってたのだけど、それが非常に分かりやすいイメージ操作の図式になっていた。

どっかの外国では若者がエミネムのファッションを真似るもんで、それが治安低下、若者たちの非行化に繋がると困っていたらしい。これを何とかしようと立ち上がったのが街の老人で、老人たちが街のあちこちでエミネムファッションに身を包んだらしい。すると、若者たちは、「老人と同じファッションなんてだせぇ!シット!」みたいな事を言ってエミネムファッションをやめるようになったらしい。

これこそがイメージ操作の最たるもので、「エミネム、超クール!」なイメージを一瞬にして「老人ファッション」のイメージまで貶める究極のファインプレイ。僕はまさにこのイメージ操作をしたくて「美しいオナッセイ大賞」を催したのだった。

例えば、今、このオナニーが忌々しきマイナス的な禁断の行為として封殺されている世の中にあって、オナニーの話を耳にする機会とはどんな時だろうか。

せいぜい、クラスのエロキャラ坂田君が言う、「俺さー、昨日、谷亮子で3回も抜いちゃって、ゲヘヘ」のような面白くもなんともない耳が腐りそうな下賎な話くらいじゃないだろうか。昨晩の回数をカミングアウトされても困るものがあるが、そんな場合にしかオナニー話を聞かないものだからまたオナニーのイメージが低下し、恥ずかしく秘めたるものなる。そしてまた下賎な場合にしか話されなくなる。この負のスパイラル。

この負のスパイラルを抜け出すにはどうしたらいいか。それはもう、下賎なオナニー話を抜け出して美しいオナニーの話をするしかないわけで、耳障りの良いオナニー美談を語り継いでいくことでオナニーに対するイメージと価値観を良化させる、それしかないわけなんです。

電車男の大ヒットで秋葉系のオタクがのイメージが向上したのと同じく、オナニーもその美談でイメージを良化させる。それこそがオナニーオープン化の近道です。ということで、

第2回オナッセイ大賞 大募集

募集
オナニーに関する美しい話を送ってください。実話である必要は全くありません。文量などに制限はございませんが、既にどこかで発表された作品はご遠慮ください。

あて先
「お名前(HN)」「ご自身のHP(あれば)」「作品タイトル」「作品」を忘れずに書いてpato@numeri.jpまで。メールのサブジェクトを「美しいオナッセイ係」としてください。

審査方法
集まった応募作の中から、作品の体を成しているものを選んで3名の一次審査員により審査します。審査後、各推薦作品をNumeri上にアップロードし、皆様の投票によって大賞を決定いたします。

締め切り 11/10まで

賞品
優勝者様のご希望になるべく沿う形で賞品を用意いたします。

前回大会は200近い猛者から作品が集まり、どれもこれも美しいオナニー話で審査しながらホロリと涙したりしたのですが、今回も前回を上回る素敵作品をお待ちしております。

美しいオナッセイと言われてもどんなの書いていいのか分からない、という方もおられると思いますので、前回大会決勝戦のノミネート作品を見てもらうのが早いと思います。

前回優勝作品  「闇夜で雪は
ノミネート作品 「無題」「兄貴」「春のできごと」「オナニーを忘れて」「オナニーの無い世界で」「無題」「涙の精子」「ハメ次朗」「無題

投票結果 http://vote3.ziyu.net/html/onani.html

これでも分からないという困ったちゃんのために、こちらでも作品例を書いてみました。これが前回の僕のノミネート作品です。予選落ちしました。これを参考にしてみるのも手かもしれません。

「トランペットに憧れて」

ニューヨーク摩天楼の喧騒は、ヘルナンデスにとってどこか懐かしく、それでいてどこか鬱陶しかった。彼はボンヤリと地下鉄に乗り、車窓を眺め、暗闇の中を時折通りすぎる誘導灯の明かりの数を漠然と数えていた。

窃盗、傷害、詐欺、幾度となく犯罪を働いたヘルナンデスは、悪い事なら人殺し以外何でもやったという自負があった。悪事とは、学も取り柄も後ろ盾もない自分が生きていくための必要手段であり、何も悪びれる事も恥じる事もないと思っていた。

もう何度目だったか忘れたが、彼はまたつまらない窃盗で逮捕、起訴されて刑務所に収監された。収監される度に刑期も長くなり、今回は実に5年もの期間シカゴの刑務所に収監されていた。

ヘルナンデスは出所するといつもニューヨークに舞い戻っていた。これまで全米各地の刑務所に入ったが、出所するとその足でニューヨークへ。生まれ育った街とはいえ何の当てがあるわけでもない、それなのにいつも舞い戻っていた。

やはりドブ臭いスラムといえども自分の生まれ故郷、そんな懐郷的感情が自然と足を向けさせていると感じた事もあったが、そんな甘ったるい感情があることを認めたくなかった。ニューヨークは大都会、それだけに犯罪がやりやすいから帰るのだと自分に言い聞かせていた。

きっちり3秒間隔で真っ暗な闇の中に目映い光が流れる。その光は地下鉄の窓ガラスを越えてヘルナンデスの黒い肌を照らす。車内に人影は少なく、遥か向こうの方の座席では酔っ払いが死んでるんだか寝てるんだか分からない体勢で横になっている。

「どうして自分はこんなのになってしまったのだろうか」

出所してから故郷のスラムに到着する間、彼はいつも漠然と考える。もっとマトモな人生があったのではないだろうか、自分は今からでもやりなおせるんじゃないだろうか、悪事を止めて真っ当に働いてみようか。思うに、刑務所からスラムまでの移動時間こそが堅気に戻るチャンスなのかもしれない。

そんな感傷的な気持ちが芽生えるのはスラムに到着するまでで、到着すると次はどんな悪事を働こうか考えてしまう。やはり、生きていくためには仕方のない事だから。

「やはり自分は誰かに必要とされたかったのだろうか」

分岐点は分かっていた。まるで列車の分岐点の如く枝分かれしたレールが2つ延びている。それが正解だったか分からないが、自分はその片方を選択した。そして、今のように悪事に染まった人生を過ごしているのだ。

幼い頃、ヘルナンデスは夢に燃えていた。夢は華やかな舞台でスポットライトを浴びるトランペット奏者だった。ヘルナンデスの父は清掃業者で日銭を稼いで食い扶持にしていたが、劇場の清掃についていった際、本番前にステージの上でトランペットの練習をする奏者が輝いて見えたのだ。

同級生の友人がスラムにたむろし、ドラッグ等に興じる間、ヘルナンデスは真面目にアルバイトをしていた。トランペット奏者になるため、その練習の為にトランペットを買うために。

配達のアルバイトをしている時、ふと商店のショーウィンドウが目に留まった。スラムの外れにあったその店のショーウィンドウには目映いばかりの楽器達が飾ってあったのだ。それらは黄金色に輝いており、ヘルナンデスの目には本当に金銀財宝のように映っていた。

「欲しい、トランペットが欲しい」

ヘルナンデスはガラスにべっとりと張りつきトランペットを眺めた。トランペットに張られた値札は、食うに精一杯のヘルナンデスには到底届きそうもないものだった。ただ何時間も何時間も、窓ガラスに張りつき穴が開くようにトランペットを眺めることしかできなかった。

「ヘイ、ボーイ、そんなところで何してるんだ!?」

店の奥から恰幅の良い、初老の白人男性が険しい顔でやってきた。その店の主人が怒っている事が手に取るように分かる、それほどに恐ろしい表情だった。

「お前のように汚い子供が店の前にいたら迷惑だ。売れる物も売れなくなっちまう、帰れ帰れ!」

ものすごい早口でまくし立てる主人。それでもトランペットを見ていたかったヘルナンデスは食い下がった。

「お願いです。触らせてくれとはいいません。店の中にも入りません。ここで見ているだけでいいんです。もう少しトランペットを見せてください!」

それでも主人は許さなかった。おそらく黒人を忌み嫌ってるであろう主人は掃除用のモップを振りかざすと大声で怒鳴った。

「ガラスに触るな!ガラスが汚れる!貴様のようなニガーが触ると汚れるだろうが!」

ガツン!ガツン!2度3度、頭に激痛が走った。それ以上に主人から投げつけられた言葉が痛かった。自分は存在しては行けない人間なんだろうか。自分がいるだけで汚れるのだろうか。僕はただトランペットが見ていたかっただけなのに・・・。僕は誰からも必要とされないのだろうか。

店の主人に抱えられ、投げつけられた先はゴミ捨て場だった。ツンと生ゴミ特有の匂いが鼻につく箱の中に投げ込まれた。

「二度とくるんじゃねえぞ!」

捨て台詞と共に唾を吐きつけられた。ストリートを往来する綺麗な格好をした白人達はその光景を見て笑い、ヘルナンデスはさらに心を傷つけられたのだ。

「あれからだよな、自分が社会から必要とされてないって感じたのは・・・」

窓の外を過ぎ行く誘導灯すら、こんなチンケな灯りですら地下鉄の運行上は必要とされている。それを眺めながらヘルナンデスはため息をついた。

その事件以来、彼はトランペット奏者の夢を捨てた。悪事に身を染め、誰かを傷付ける、または傷つけられて生きてきた。恥ずかしくて誰にも夢の事は言わなかったが、自分の中では捨てきれなかったのだろう、自分のチンコを握ってオナニーする時だけ、まるでトランペットのピストンバルブを押さえるかの如き指使いでいたす、それだけが彼の夢の欠片だった。それ以外は夢を封殺し、誰に話す事もなかった。たった一人、例外を除いては。

7年前、場末のバーで知り合って成り行きで結婚したキャサリンという女性がいた。切れ長の目に厚い唇が最高にセクシーな良い女だった。彼女と結婚し、ヘルナンデスは真っ当に生きていこう、悪事から足を洗おうと決意したのだが、その結婚生活は長くは続かなかった。

彼女がヘルナンデスの子供を宿し、性交渉ができなくなった時の事だった。ヘルナンデスは妻に隠れ、爆発しそうな精嚢を癒すべく、オナニーに勤しんでいた。もちろん、いつもの如くトランペットの指使いで最高のオナニーを楽しんでいた。

「オーマイガ!」

いるはずのないキャサリンが部屋の入り口に立っていた。まるで世界の終わりを見たかのような顔で驚く彼女に必死で弁解を行った。

自分がかつてトランペット奏者に憧れていた事。その夢が捨てきれず、今でもオナニーはチンコはトランペットを扱うかのごとく触っている事、そして何より、誰よりもキャサリン、君の事を愛していると。

しかし、キャサリンにその想いは伝わらなかった。彼女はヒステリックに叫ぶと身振り手振り、大きなボディーランゲージで叫んだ。

「そんなオナニーをする男は変態よ!私は変態は嫌い、離婚よ、離婚!」

彼女は身重の身体を引きずり、荷物を抱えて出ていってしまったのだ。また、誰からも必要とされなかった。最愛の妻にすら必要とされなかった、そう思った。そして、キャサリンに自分の夢を否定されたかのように思え、あの日、ゴミ捨て場で経験した白人達の嘲笑の思い出と重ね合わせてしまったのだ。

「キャサリンは今ごろ何してるんだろうな、それより、お腹の子供はどうなったのだろうか」

キャサリンが出ていってすぐ、窃盗で逮捕、刑務所に入れられたヘルナンデスはその後の足取りを知らない。ただ分かっているのは、一度は必要とされていると錯覚した妻とお腹の子供にすら自分は必要とされたいなかったという事実だけだ。

「まもなく終点に到着します」

車内アナウンスが流れる。ヘルナンデスの生まれ故郷、忌まわしきあの町に地下鉄が到着したのだ。昔を思い出して感傷的になるのはここまで、さて到着したらどんな悪事を働こうか、やはり手っ取り早く強盗でもして金を作ろうか、ヘルナンデスは何かを振りきるように立ちあがりドアの方へと向った。

列車が落書きだらけのホームに滑りこみドアが開く。パラパラと何人かの身なりの汚い人々が降りてくる。その中にヘルナンデスもいた。

「さあて、手っ取り早く豪邸でも襲うか。まうは手袋とマスクを買わなきゃな」

刑務所を出た時に手にしていた金は、ニューヨークまでの交通費でほとんど消えた。残った金で強盗用の商品を買おうと、まずは雑貨屋に行く事を決意した。階段を上がり地上に出ると、懐かしい町をすり抜けて商店を目指した。

何も変わっちゃいない。相変わらずチンケで汚い街、ここでは死体が転がってたって珍しくもない。半日は放置され、それから警察がくるくらいだ。悪臭と汚い落書きが充満するストリート、その脇の歩道を歩いて進んでいった。

雑貨屋に入り、手袋とマスクを購入。準備は万端だった。あとは強盗しやすそうな豪邸を探すのみ、物色するようにストリートを歩き始めた。

T字路に差し掛かったとき、ヘルナンデスの視線に衝撃的な光景が飛び込んできた。ストリートの遥か向こう突き当たり、街路灯は軒並み破壊されて真っ暗なストリートに煌々と明かりの灯ったショーウィンドウが浮かび上がっているのだ。

まるでデジャヴのような何かを感じたヘルナンデスは、その明かりの元へと駆け寄った。するとどういうことだろうか、あの日のように、眩い光を放つショーウィンドウに小さな黒人少年が張り付いているのだ。

うっとりと、憧れるような眼差しで、陳列されている商品を眺めているのだろう。今にもガラスをぶち破りそうなほど体を密着させていた。ヘルナンデスの位置からは陳列されている商品が何であったのか分からないが、それでも少年が中の商品に憧れているだろうことはすぐに分かった。

あの日、別の分岐路に進んでしまった自分。夢を捨て、誰かに迷惑をかけて生きていく道を選んでしまった自分、その姿を客観的に見ているようだった。

「ヘイ、ボーイ、そんなに引っ付くとガラスと同化しちまうぜ」

なぜだか知らないが、自然と話しかけていた。元々、子供はうるさくて嫌いなはずなのに、本当に自然に話しかけていた。たぶんきっと、幼い頃の自分の姿と重ね合わせてしまったのだろう。

「あれが欲しいんだ」

振り向いた少年は、まだあどけない面影を残す少年で、天然パーマと切れ長な目が印象的だった。そして、ショーウィンドウの奥に陳列された一つの商品を指差す。

「そうか、あれが欲しいのか。なかなか買えそうにないな・・・」

「欲しくてしょうがないんだ、あのオナペット」

ヘルナンデスが服役している6年間で、ニューヨークの文化はすっかり変わってしまったらしい。なんと、今では普通にオナニーのお供、オナペットとして女が商店に陳列されている時代なのだ。

少年ながらいい好みしてやがるぜ、と呟きたくなるほどの極上のセクシー美女が、セクシーなランジェリーをつけてショーウィンドウ内に立っていた。

「あれはね、アンドロイドなんだよ。精巧に作られたロボットさ。みんなあれを見ながらオナニーするんだよ」

なんでも、性交渉を行う人形、いわゆるダッチワイフとは違うらしい。ただ眺めてオナニーするためだけのロボット、オナペットが空前のブームらしいのだ。

「僕ね、将来はオナニー奏者になりたいんだ!大勢の観客の前でオナニーを披露する、そんな素敵なオナニー奏者に!」

どこかで聞いた話だと思った。それと同時に、この子の夢は叶わないだろうと思った。あのオナペットについてる値札は、とてもじゃないがこの町に住む住人には買えない額、きっとこの子も夢破れ、自分のようになるのだろう。

そうこうしていると、店の奥から主人が鬼の形相で出てくるのが見えた。

「さあ、いこう。ここにいると大変なことが起こる」

ヘルナンデスは少年を伴うと、そそくさと店を離れ、裏路地へと消えていった。

「ねえおじさん、おじさんはオナニーのやり方知ってる?」

あちらこちからの側溝から蒸気が噴出する裏路地、そこに置かれた小さなゴミ箱に腰をかけながら少年は唐突に質問した。

「オナニーのやり方?そんなの男の子なら誰だって知ってるだろう?」

「僕ね、パパがいないんだ。だからママにやり方教えてもらったの。でもね、なんかそのやり方は変だって言われるから・・・」

少年は悲しそうに俯いた。恐らく彼はエロい気持ちなど一切なく、純粋にオナニー奏者になりたくてオナペットを欲したのだろう。オナニー奏者になりたいのに自分のオナニーは人と違うかもしれない、正しいオナニーが知りたい。きっと、オナペットを購入すればそれが分かると思ったのだろう。

「いいぜ、じゃあ見てあげよう。ちょっとここでオナニーしてみてくれないか」

少しでも力になりたいと思った。そして、彼が一体どんな変なオナニーをするのか興味があった。自分らしくないと思いつつも、ヘルナンデスは少年に釘付けだった。

「うん、じゃあしてみるね」

少年はボロボロのズボンを手際良く脱ぐと、その小さな物体を頼もしく握り始めた。いよいよオナニーが始まり、少年の恍惚の声が裏路地に響いたのだが、それ以上にヘルナンデスは少年の指の動きに目を見張った。

「坊主・・・その握り方はどこで?」

少年の握りは、まるでトランペットを扱うかのごとく指使いだった。ナチュラルにクラシックの名曲を演奏するトランペット奏者の如き指使いでスムーズにチンコを刺激していく。まるで今にもチンコから名曲の調べが聞こえてくるようだった。

「さっきもいったじゃん、ママに習ったのさ」

驚いた、母親が息子にオナニー方法を教えるという事実にも驚いたが、それ以上に自分と同じ握りに驚いた。これを知っているのはこの世に自分ともう一人しかいないはず。

「坊主、お母さんの名前は?」

「キャサリンだよ」

なんてことだろう、まさか、まさか。いや、もう疑うまでもなかった。

「うちはね貧乏なんだ。ママは朝早くから夜遅くまで働いてるけど、全然お金が貯まらない。だから僕がオナニー奏者になってママに楽をさせたいんだ、それが僕の夢さ」

「夢か・・・」

「ママはいつも言ってるよ。夢は大切だって。なんかママね、昔に大切な人の夢を理解できずにバカにしちゃったんだって、それを悔やんでるっていつも言ってた。その人はもう会えないだろうけど、あの人のことを謝りたいっていつも言ってるんだ」

「キャサリンがそんなことを・・・?」

「でね、そう言うといつもいつも床の間に飾ってるあの高価な光るもの磨くんだ。いつあの人が帰ってきてもいいようにって。すごく無理してママがローンで買ったんだよ、ちょっと見たけど凄く綺麗に輝いて綺麗だったんだから」

「輝く綺麗な高価なもの・・・?なんだいそれは・・・?」

「えっと、名前なんだったかな・・・?えっと、えっと、たしか・・・そうだ!トランペットだ!金色に光って凄い綺麗なんだよ!」

ヘルナンデスは少年の目も気にせず、その場に泣き崩れてしまった。

自分は必要とされていた、自分の夢を理解してくれ、自分の帰りを待っている人がいた。それに、この少年だって自分を必要としているのだ。自分は一人じゃなかったのだ。誰だって一人じゃないのだ。そして誰だって夢を持って生きる権利があるのだ。

「ねえ、おじさん、どうしちゃったの?オナニー方法教えてよ、やっぱり僕のやり方変かな?」

大の大人が泣き崩れている姿を見て、少年は戸惑いながら気を使うように話しかける。ヘルナンデスは溢れ出す涙を拭うと

「OK、教えてあげよう。その前に、お母さんのところに案内してくれるかな?」

と切り出した。少年は嬉しそうに満面の笑みで笑うと「こっちだよ!」と裏路地のさらに奥へ案内し始めた。

「ああ、そうだ、それに何かいい仕事ないか探さなきゃな、君にあのオナペットを買ってあげられるように」

ヘルナンデスはそう言うと、さっきまで少年が腰掛けていたゴミ箱に購入したばかりの手袋とマスクを捨てると、少年の後を小走りについていった。

「おーい、でも、おじさんも君と同じオナニー方法しか教えられないぞ」

そう叫んだが、側溝から湧き出す蒸気の音にかき消され、少年に聞こえたのか聞こえなかったのか、とにかく二人はいつの間にか手を握り合い、スラムの奥へと消えていった。

ニューヨーク摩天楼の夜景は、そんな二人を見守るように優しく瞬いていた。

以上のようなクソな感じでお願いいたします。「オナッセイ大賞は何回まで続くんですか?」という質問が来ていますが、もちろん、無記名で参加している僕が優勝するまで続けます。いや、前回は予選落ちだったので、決勝に残れるまで続けます。それこそ、自分で企画して自分が優勝して、この企画自体が僕のオナニーでした!と胸を張って言える時が来るまで続けます。多数の応募お待ちしております!

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