アパートパート
おっす!オラNumeriのpato!みんなヨロシクな!好きなSMは鼻フック!aikoに鼻フックとかしたいぜ!ビルの五階から吊り下げたいぜ!
そんなこんなで、ゴールデンウィークの惨劇が抜け切らない昨今、ボケボケにボケた頭と体を引きずりながらやっとこさNumeri本の発送作業が始まりました。まるで内職の人みたいになりながら本を梱包してメッセージカードを同封して、物凄い量の郵便物を手に郵便局へ。プロ野球チップスを大人買いする人みたいな状態で郵便局へ。
振り込み確認や梱包作業や、気が狂いそうになるばかりの作業でミスの連発、おまけに睡眠不足の連発だったりするのですが、それでも、楽しみに待ってくださってくれる方がいることを思うと、老体に鞭打って頑張れるというものです。まあ、鞭は嫌いであくまでも鼻フックが好きなんですけど。
でまあ、色々な購入者の方々の送付先を眺めておりましてね、思うわけなんですよ。あ、まあ心配しなくてもこれらの個人情報は通販終了後にビックリする勢いで破棄いたしますが、今の段階で作業しながら眺めていて思うわけなんですよ。
いやね、皆さんの住所、なかなか面白い。
立地的な面白さも確かにあります。今僕が住んでいる新住所に極めて近く、こりゃ郵送するより直接持っていたほうが早いんじゃねえか、って人もいますし、前に住んでいた広島や僕の実家に極度に近い人もいます。
でもまあ、そういった個人的面白さは別として、やっぱ相対的に見ても面白い住所ってあると思うんですよね。
○○市○○町○○11-5○○アパート
とかいって、○○の部分が全部同じ地名。すっげえ覚えやすい住所だったりして面白いんですよね。他にも、全く持って読めそうにない地名が羅列された住所だったり、文字化けなのか本当の住所なのか紙一重の住所もあります。さすが、住所ってのは二つと同じものがありませんから、それぞれが個性があって面白いものなのです。
でもまあ、住所的個性もさることながら、やはり最も個性が出る部分はアパートやマンションなどの名称ではないでしょうか。地名などの住所は歴史的背景を重んじ、脈々と使われてきた名称が使用されるものです。しかしながら、アパートやマンションは好きなだけ名称つけ放題。もうなんでもありの無法地帯になっているのです。
一応、僕が今まで見てきた中で、ちょっと変わったアパート名なんかを思い出せる範囲で挙げてみますと、
青春アパート(すげえぼろい)
ゴージャスコーポ(妖怪屋敷みたいな佇まい。別の意味でゴージャス)
メゾン ド レジデンス ナンチャラカンチャラ(5回聞いても覚えられないくらい長い)
レッツゴーコーポ(どこにいくのか。もちろんボロい)
吉田浩一郎荘(たぶん、モロに大家の名前)
メゾン ド S. M. (鼻フックか)
とまあ、大家のヤロウは一体何を考えているんだ、と問いただしたくなる名称が山のようにあるのです。
僕は以前に住んでいたアパートが極めて普通の名称で、「変わった名称のアパートに住みたいなぁ」とか隣の芝生は青い理論で考えていました。
けれどもですね、実際に変な名称のアパートに住んでみるとですね、これがまたとんでもなく厄介というか気恥ずかしいというか、たかが居住アパートの名称なのに、これほど苦労させられるのか、と理不尽な想いに駆られるわけなんですよ。
適当に、それでいて豪放に部屋探しをした現在の僕のアパート、それはそれは見事にファンキーな、理解不能なアパート名が名付けられていまたのです。いやもう、ホント、聞いてビックリ、最初に聞いたときなんか自分のアパートながら我が耳を疑ったもの。
パラッディオン・サトウ・パートV(ニュアンスだけそのままに名称を変えてあります)
とかいう、ハイパボリックでアバンギャルドな、どう考えても大家が場末のスナックで酔いつぶれて勢いだけで決めちゃったようなアパート名がついてるんですよ。なんかの必殺技か。
もうね、最初の部分も意味不明だし、サトウがカタカナなのも意味が分からない。おまけに近所をくまなく探したけどパート1も2も出てきませんでしたから、何で3なのか、しかもご丁寧にVなのか意味不明なこと山の如しなんですよ。
でまあ、最初こそは、「やった!変なアパート名だ!それも極上の!」と喜んだりもしたのですが、実際に住んでみると問題点というか不便な点が結構あるんですよね。
まず、自分の住所を書くのが恥ずかしい。
カラオケボックスやレンタルビデオ店、街灯でのアンケートなど、至る所で住所を書く機会って多いと思いますけど、そういう時に恥ずかしい。それだけならまだしも、職場などでパブリックな書類に書く際に鬼のように恥ずかしい。自分で書きながらハッと我に返り、「なんだよ、パラッディオンて・・・」と死にたくなる時があります。
それだけならまだしも、電話なんかで口頭で伝える時など拷問に近く、なかなか伝わらないものですから何度も恥ずかしいアパート名を連呼する、ちょっとした罰ゲームかSMプレイの一環みたいな状態になってるんですよ。SMプレイなら鼻フックの方がいい。
つい先日もこんなことがありました。免停および引越し関係のことで免許センターの方から電話があったのですけど、
「免停に関する書類を新住所に送りたい、住所を教えてくれ」
とまあ、すげえ老齢の、声からして加齢臭が漂ってきそうなオッサンから電話がかかってきたんですよ。もうその瞬間に、「ああ、オッサンにウチの住所を伝えるのはムリだ」と思いましたね。あまりにアバンギャルドなアパート名ですから、年老いたオッサンには理解できない、例えるならオッサンにエヴァンゲリオンを見せるようなもんだ、そう思いました。
伝えるの面倒くさいなー、どうせ分かってくれねーしなー、と思いつつも、免許証の住所変更してない自分が悪いんだよなーと渋々伝えました。
案の定、僕は軽快な口調で自分の住所を伝えたのですが、どうしてもアパート名の部分がオッサンに伝わらない。
「パラッディオン・サトウ・パートVです」
「タラッディオん?」
「ちがいます、パラッディオン」
「タラッディオン?」
「いえ、パピプペポのパ、パラッディオンです」
「パラディン?」
「短すぎます」
最終的にはオッサンの許容範囲を越えてしまったらしく
「タラッ!タラッ!パラッ!パラッ!パラッ!パラッ!」
と、電話口の向こうで壊れたロボットみたいになってました。高血圧で倒れる直前みたいになってた。死んじゃうんじゃないかって心配になった。電話口で連呼していましたから、他の免許センターの事務員さんに筒抜けだったらしく、後ろからは冷笑とも失笑ともつかない笑い声が聞こえてきました。
「サイトウじゃないですサトウ」「で、ハイフンが入って、いえいえハイフンって書くんじゃなくて、点です、点」「で、パート3、3番目です」
とまあ、SMプレイみたいな羞恥プレイを経て、やっとこさ彼に僕の住所が伝わったのです。ホント、死ぬほど苦労した。
そんなこなんで、ずっと憧れていた変なアパート名ですが、いざ住んでみると異常に不便、謂れのない苦労を必要とする、ということであまり良いことはないというお話でした。
ちなみに、件のオッサンに必死になって伝えた僕の住所、実際に届いた書類の宛先を見てみますと
「タラッディオ、サトウ、パート3」
あれだけ苦労して伝えたのに・・・間違ってるじゃん。すごい徒労感に襲われました。もうなんというか、送ってきたオッサンに鼻フックとかしたい、そう思った。
住所を間違えると大変な騒ぎですので、ぬめり本通販の方は間違いないように届けたいと思いますので、今しばらくお待ちください。