ヌメラーからの挑戦状3

ヌメラーからの挑戦状3

エロビデオ鑑賞というものは趣深いものであります。額面どおり最初から最後までエロスなストーリーを見るといった方法で楽しむことも可能ですし、早送りを駆使して絡みの部分だけを見ることも可能です。また、逆に絡み部分を狙って早送りし、人智を超えたスピードで腰を振る男優さんを見るのも一興です。

しかし、我々のようなエロビデオのベテランは違います。常人の、それこそエロビデオ経験本数1000本以下のビギナーなら上記のような楽しみ方もアリですが、我々ベテランから見ればそのような鑑賞、児戯に等しい。

現在、エロビデオ通の間で最もアツイ鑑賞方法とされているのが「一時停止法」です。絡みの部分などをとにかく一時停止。荒ぶる神々の如く一時停止を駆使し、綺麗なAV女優さんがブスに見える瞬間を探すのです。

どんな綺麗な女優さんでも、全ての表情が美しいわけではありません。一瞬だけ見せるブスな表情、表情が変わる途中の微妙な顔、ブタのように見える角度、ありえないアングル。通常の鑑賞では知ることができない表情を「一時停止」が演出してくれるのです。これがなんとも興奮する。

我々コアなエロビデオユーザーは、涅槃型で構えながらリモコンの一時停止に手をかけ、何度も何度も、それこそボタンが取れるかといった勢いでAV女優の変顔探しに夢中になるのです。それが通のエロビデオ鑑賞2004スタイル。

そんなこんなで、またもやいつものように一時停止を連打し、60分物のエロビデオを2時間ぐらいかけて鑑賞している時でした。僕の唯一といっても過言ではない趣味の時間を邪魔するかのように、一通のメールがメールボックスに飛び込んできました。

新着メール
件名:挑戦状です
送信先:p1bgm@polka.plala.or.jp
送信元:あるヌメラー

patoさんに挑戦状です。
前回の岡山の「存在しない海水浴場」を探す旅、お疲れ様でした。また岡山がらみで申し訳ありませんが、挑戦状です。

その筋では有名な噂なのですが、国家は岡山県の山中に軍事兵器を隠し持っているそうです。

その兵器は強力で、宇宙でも使用可能、シャレにならないレベルだそうです。もしこの噂が本当な由々しき問題です。是非ともpatoさんに調べて欲しくメールしました。どうぞよろしくお願いします。

あるヌメラー

またもや挑戦状でした。

シリーズ第一作「戦場にかける橋編」では男達の欲望が叶う橋を探しに行き、第二作「幻の海水浴場編」では有り得ない海水浴場を探しに行きました。どれもこれも途方もないほどの労力と時間を費やした取材でした。まあ、得られた結果なんてクソとしか言いようがないものだったけど。

正直言って、僕はあまり「ヌメラーからの挑戦状シリーズ」が好きではありません。取材に行くのは億劫ですし、時間がかかります。世界を股にかけて恋に仕事に一生懸命な僕としては、このようなクソネタに時間を取られたくないのです。

しかしながら、軍事兵器と聞いては黙っておくわけにはいきません。平和憲法を掲げる日本国の一国民として、兵器の保有状況を知る事は重要なことなのです。別に関係ないからどうでもいい、興味ない、では済まされない問題なのです。もし、メールでの情報通りに岡山山中に軍事兵器が、それも強力なものが隠されているのなら大問題です。

ということで、我々調査班(僕1人)は岡山県に向かって車を走らせるのでした。目指すは山中に隠された軍事兵器、それを発見し、徹底的に糾弾するのです。

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うら寂れた国道をひた走り、まずは岡山県北部を目指します。「岡山県の山中」という表現から、おそらく県北部であろうという予想を立てて車を走らせました。

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いきなり道路脇に登場する「めだかの学校」なる怪しげな看板。軍事兵器とは何ら関係ないですが、この僕に挑戦しているとしか思えない看板を前に引き下がることなどできず、看板が指し示す方向に車を走らせました。

一体この先に何があるのか、果たしてめだかの学校とは何のか、期待と不安で胸を弾ませながら、山あり谷ありのワインディングロードをひた走りました。

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そこに現れたのは民家、1000%掛け値なしで民家でした。この民家のどこがめだかの学校なのか本気で問い詰めたい気分です。しかし、何故だか知りませんけど、鬼瓦みたいなオッサンが玄関前で仁王立ちしていたのでスゴスゴと撤退、画像も隠し撮りみたいなのを撮るので精一杯でした。

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気を取り直してさらに前進。いつの間にか高速道路に乗り、そのまま有り得ない速度で岡山を目指します。めだかの学校でロスした時間を取り戻すべく、必死で車を走らせました。

しかしながら、その努力むなしく、岡山県北部の山中に到着する頃にはすっかりと日が落ち、辺りには真っ暗な夜の帳が落ちていました。

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明るいうちに探しておきたかったのですが、夜になってしまったものは仕方ありません。軍事兵器の匂いがする方角に適当に車を走らせてみました。

途中、あまりの長時間に及ぶ運転に疲れてしまったため、国道脇にあった「道の駅」(国道各所にあるドライブイン)でしばし休憩することを決意。コーヒーでも買ってもう少し頑張ってみようと「道の駅」駐車場に車を停め、プラプラと歩いていました。

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深い深い闇の中から突如として現れるカカシ。イキナリにコレですから、心臓が止まるかと思いました。「道の駅」ってのは車での旅人に休息を与えることを目的としているのですが、この「道の駅」は違います。旅人にビックリドッキリの驚きを提供することを目標にしている。他にも30体くらいこんなカカシがあったからな。

他にも、普通ならちょっとした商店や販売機などがあるはずなのに、

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何のためらいもなく柿が干してあったりしてました。

有り得ない「道の駅」を後にし、その後も岡山県北部山中を捜索しましたが、結局軍事兵器を見つける事はできませんでした。調査班(僕1人)はこの日の捜索を断念、国道脇に車を停車して深い深い眠りにつきました。

捜索2日目。

頭にネグセバリバリ伝説、おまけに寝汗を異常にかいたらしく、異様に汗臭い状態で捜索開始。

さすがにこれだけ探しても見つからないのですから、探す場所が根本的に間違っているのだろうという推測から、さらに高速道路に乗って移動を行いました。岡山県北部といっても広いですから、さらに移動をして捜索を開始します。

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昨日の捜索は失敗でした。全然関係ない「めだかの学校」とかに寄り道したものですから、捜索時間がなくなるという大失態を演じたのです。猛省した僕は、今日は寄り道は絶対せず、軍事兵器関連の捜索に専念すると誓います。途中に「この先、ゲリラ雪に注意!」なんていうネタとして美味しそうな看板があったのですが、今日の僕はそんなのには目もくれません。

車を走行させながらも、山間から覗く建物や意味不明の建造物に目を光らせます。やはり、「山中に隠された軍事兵器」というくらいですから、なかなk一般人には発見しにくいようにしてあるはずです。

それこそエリア51とかのようにですね、地図に書かれていない道があるとか、秘密の地下室への入り口があるとか、そういう状態なのだと思います。ですから、どんな小さな建造物も見逃さぬように注意深く車を走らせます。

しかしながら、いくら走ってもそれらしい物は見つかりませんでした。あるのは山と畑とラブホテルばかり、全く持って軍事兵器とかそういった軍部っぽい雰囲気が感じられない場所でした。

「こりゃ見つからねえよ。また今日も車内宿泊かよー。っていうか本当にあるのかよ、軍事兵器なんてー」

などとふてくされておりますと、

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目の前にまたも「道の駅」が出現。威風堂々と、激しく自己主張するかのように看板が立っておりました。

さすがに長時間の運転ですし、喉も渇きました。おまけに捜索開始から何も食べていなかったので、なにか軽い食事でも取ろうと、その道の駅へと入りました。

昨晩、別の「道の駅」でカカシに脅され、ありえない干し柿の恐怖に怯えた僕です。できることなら「道の駅」は避けたかったのですが、背に腹は代えられません。

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さてさて、休憩でもとりますかねー、おやおや、なかなか綺麗な道の駅ですなー、と建物を見回しているその時でした。

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画面左端に明らかに有り得ないものが入っています。明らかな異物がファインダーの中に入ってきております。

「な、なんだ!?アレは!?」

色めき立った調査班(僕1人)は駆け足でその物体に近づきました。

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そこにそびえ立っているのは、体長7メートルのZガンダムの模型。後ろの民家と比較してもらうと分かると思いますが、明らかに遠近法がおかしいです。ちなみに、柱の右端のところに誘拐犯と誘拐された子供みたいな親子連れが立っていたのですが、明らかに大きさが違ってました。

あまりにビックリした僕は、近くを歩いていた地元民らしき人に

「あれは一体なんなんでしょうか?」

と訊ねてみました。すると、

「あー、あれな、なんでもガンガルとかいう模型らしいべ。地元の好き者が作ったんだっぺよー」

とか言ってました。おいおい「ガンガル」ならパチモンじゃねえか、と思うのですが、足元にある看板を読んでみると、

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ちゃんと「ガンダム」と書いてありました。版権もクリアしてるみたいです。オマケにコレ、人をコックピットに乗せれるようにできていて、おまけに動くみたいです。

なるほど、これが軍事兵器か。まさかモビルスーツだったとはな。しかも動くとは・・・。などと思うのですが、さすがにこれを軍事利用はしねーだろーと思いました。

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近くから見たガンダム。

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後ろから見たガンダム。なんかカッケー。

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「これガンダムって言うらしいわよー」

「んまー、大きいのねー」

「よく作ったわよねー、で、ガンダムって何?」

と会話するオバチャンとガンダム。非常にシュールな絵図です。

というわけで、挑戦状にあった「岡山山中に隠された軍事兵器」とは、「道の駅久米の里に鎮座するガンダム模型」でした。隠されてなかったけど。それにしても、これを作り上げた久米町在住の中元さんはすげーよなー。

見事に挑戦状にあった「軍事兵器」を探し当てた調査班(僕1人)は満足気に車を走らせたのでした。

ちなみに、帰宅した調査班(僕1人)は一時停止法でエロビデオを見るべくレンタルビデオ屋に行ったのですが、そういえば自分は一度もガンダムのアニメを見たことないと思い出し、ガンダムのビデオをエロビデオでサンドイッチして借りるという偉業を達成したのでした。

まだまだ、ヌメラーさんの挑戦待ってます!

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