心の色はチョコの色

心の色はチョコの色

今日はアレですね。なんか、チョコを貰ったり貰われたり、「作るの大変だったんだぞぅ」とか言いながら頬を赤らめたり、放課後の教室で初チューしたり、給湯室でハメ撮りしたり、そんな愛の日バレンタインデーらしいですね。ホント、みんな死ねばいいのに。

僕はですね、正直言ってバレンタインにあまりいい思い出がないんですよね。なんというか、できることなら忘れたい、できることなら2/13の次の日が2/15であって欲しい、そう思ってるんですよね。

小学生の頃は一つも貰えず、泣きながら家に帰りました。

また、ある年のバレンタインでは、クラスでモテモテのハンサム小学生Y君と一緒に下校したのですが、「やべー、チョコ貰いすぎちゃったよ」などとワザとらしく言う彼に殺意を覚えました。

おまけに、「あんまチョコ持って帰るとお母さんに怒られる」と意味不明なことを言うY君は、「これ、やるよ」と山ほどの戦利品の中から1つチョコをくれました。あの時ほど、「おれ、コイツと刺し違えてもいいかも」と思った事はありませんでした。

しかも、家に帰ってそのチョコを開封してみると、「Y君へ、変な味だったらゴメンネ! ○○子」とか、頭の悪そうな丸文字で書かれた手紙を発見してしまい、密かに○○子ちゃんことを好いていた僕は、たまらないほどに複雑な気分になったものでした。

まあ、そのチョコは、「僕にくれたものじゃないけど大好きな○○子ちゃんがくれたものだし、簡単に食べるわけにはいかないな」などと冷凍庫の永久氷土の中に保存していたのですが、見事にウチのクサレ親父が食ってました。

中学の頃は、貰えないどころかバレンタインおにぎり事件(9/4日記参照)に巻き込まれました。

高校の頃、一度だけ自作自演を試みたことがありました。

あまりに弟やクサレ親父が「お前はチョコの一個も貰えないのか、がはははは」とバカにするものですから、クラスのブスに頼んでチョコを買って来て貰ったことがありました。

「なあ、頼むからチョコ買って来てくんない?」

千円札を渡しながら、夜は墓場で運動会といった女子にお願いする僕の姿は正に敗北者。2/14という日に大量発生する「チョコを貰えなかった敗残兵」以下のものでした。明らかに負け犬だった。

「お兄ちゃんな、チョコ貰っちゃったよ、まいるよなー」

笑顔で弟にそう言う僕の頬を伝う熱い「何か」。今でも忘れません。

大学生ともなると幾ばくかの義理チョコを貰うことがありましたが、それでも深い傷を負った僕の心が癒されることはありませんでした。

そして、現在の職場。ここでもほとんどチョコとは縁の無い生活を強いられていました。で、昨年のバレンタインデー、これが途方もないものでした。なんというか、悲惨なバレンタインメモリーのブッチギリ一位というか集大成というか殿堂入りというか、とにかく悲惨なものでした。

昨年の2月14日、我が職場のマッスル事務員B子さんが、同僚どもにチョコを配っていました。

「いつもお世話になってますんで」

甲斐甲斐しく、やや高級そうなチョコの包みを配るB子を見て、「けっこう女の子らしいところもあるんだな」などと感心したものでした。

しかしながら、僕の隣の席の同僚まで配ったというのに、なぜか僕には渡さず踵を返すB子。まるで、「キサマのようなカスの存在など見えぬわ」と言わんばかりのUターンっぷりを見せるB子。結局、職場では僕だけチョコを貰えないという悲惨っぷり。小学生の頃、親戚のお兄ちゃんから貰ったリコーダーを使ってて、僕だけ色が違ってて恥ずかしかったのを思い出したわ。

しかも、その後の展開が凄くて、詳しくは昨年の3月16日の日記「ホワイトデー」を読んでもらうと分かるのですけど、お返しをしなければならないホワイトデーに、「どうしてpatoさんはお返しをくれないんですか?」と怒りの波動をまとったB子に詰め寄られる始末。

「いや、もらってないし」と反論する僕ですが、「ちゃんとあげました。ゴディバのチョコを!」などと、ゴディバだかゴルバチョフだかザンギエフだか知りませんが、そう主張される始末。ホント、死ぬかと思いました。

いやね、B子からのチョコが欲しいとかお返ししたくないとじゃないんですよ。広末涼子ならともかく、B子から貰ってもそんなに嬉しくないですし、お返しくらいいくらでもしたりますし、別にそこまで重要な問題ではない。ただね、なんていうの、僕だけに無いって状況が悲しくて悲惨でしょうがなかったのですよ。

そんなこんなで、「貰っても無いのにお返しを要求される」なんて間違いなく悲惨なバレンタインメモリーのトップに君臨するであろう昨年のバレンタインですが、今年こそは違うんと思うんですよ。

いやね、たぶんきっと去年はB子のヤツも素で僕に渡すのを忘れていたとか、何らかの勘違いで僕に渡した気になってたとかなんでしょうけど、今年はそういうことはないと思うんですよね。多分大丈夫だと思う。

いやいや、今年こそはB子がくれるとそういったわけじゃないんですよね。そんなの期待してるわけじゃないんです。あのですね、今年のバレンタインは土曜なんですよ、土曜。

僕らは土曜日も普通に仕事ですから、職場にいたりなんかするんですけど、事務員さんで僕らとは立場が違うB子は基本的に土曜日は休み。つまり今年のバレンタインはB子不在の職場なんですよ。

いないんだから職場で配りようがない。前日にだって配らなかった。これはもう、今年はB子のヤロウもチョコ配るのを止めた、そう判断していいじゃないですか。配らないなら僕だけチョコが無いなんていう悲惨な状態にならない、そう判断できるじゃないですか。

だからね、今日は安心して職場にやってきた。すごく安心しきって、前日深夜に「スカイハイ2」を観てたから若干寝坊して遅刻したのだけど、それでも元気イッパイに出勤。

「おはよー」

よし、B子の姿はない。これで安心して仕事打ち込めるぞー、と隣の同僚のデスクの上を覗いて見ると、

ちょこん

と、とてもキューティクルなチョコの包みが置いてありました。なんとも嫌な予感がします。で、見てみると、周りの同僚どものデスクにも全く同じものがチラホラと。

焦った僕は同僚に訊ねてみたのですが、

「ん?B子さんが朝一番に来てみんなに配ってたよ。またお返し考えるの面倒だよな」

とか、ヒマラヤ山脈並にお寒いセリフが帰ってくるのみでした。

で、僕も必死に樹海と化している自分のデスクの上を捜索してのですが、チョコのチョの字も、むしろョの字も見当たらない勢いでした。うん、何もなかった。

今年も!僕だけ!チョコが無い!!!!1

その事実に愕然とし、泣きながら仕事をする、今年はそんなバレンタインデーでした。職場の窓から見た夕焼け、チョコみたいな色でなんともさみしかったです。今年のバレンタインの思い出は、またも悲惨ランキング上位に赤丸急上昇でランクインしました。

ちなみに、ホワイトデーは既にこの職場にいないので、お返しだけを要求される事はないと思うので、多分2位にランクインです。

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