ハリーポッターと秘密の部屋

ハリーポッターと秘密の部屋

先日の日記で「酷い日記だ」と称して「ハリー・ポッターと賢者の石、見てもないのにレビュー」をサルベージしました。酷い日記をサルベージし、悶えるような恥ずかしさに身を委ね、癖になりそうな感覚に酔いしれたものです。あの夜は燃えた。

しかしながら、「そんなことないですよ!面白かったです!」といったメールを3通も頂きました。あまりの量にメールボックスがパンクするかと思いました。ここまで反響があるとは、日記書き冥利に尽きるというものです。

ということで、3通の「面白かったよ」メールに気を良くしましたので、その3人の方のためだけに、「ハリー・ポッター、見てもないのに映画レビュー」の続編を書いてみたいと思います。3人のためだけに。他の人など知ったこっちゃありません。

そんなこんなで、「ハリー・ポッターと賢者の石」の続編である「ハリー・ポッターと秘密の部屋」レビューいってみましょう。もちろん、この映画だってビタイチ観てませんから。

史上2度目?見てもないのに映画レビュー
「ハリー・ポッターと秘密の部屋」編


前作「賢者の石編」を圧倒的に上回る規模で製作されたこの作品、制作費5000億ドルという巨額を投じたことでも知られている。前作を引き継いだキャストながらも、内容は圧倒的にスケールアップ。格段にパワーアップしたアクションシーンや特殊効果など、目が離せない要素が盛りだくさんだ。

物語はアリゾナ州のリゾート地から始まる。

カルト教団賢者の石社との攻防戦で手柄を挙げたロス市警の敏腕刑事コンビ、ハリーとポッターは、その手柄を讃えてられて特別に休暇をもらっていた。

休暇を利用してアリゾナのリゾートを訪れたハリーとポッター。ポッターは青い海を満喫し、日がなゴルフ三昧。生真面目なハリーはホテルの部屋で本を読んでばかりいた。

そして、事件は起こる。

大好物のダージリンティーを飲みながら読書に耽っていたハリー。しかし、その至福のひと時を打ち破るかのように、何者かがホテルのドアを叩いた。

ドンドンドン

何事かと思いドアを開けると、そこにはハッとするほど美女が立っていた。見知らぬ女だ。

「おやおや?部屋をお間違えかな?」

女好きなポッターじゃあるまいし、そんな美女とは縁の無いハリーはジョーク交じりにそう言った。しかし、美女はピクリとも笑わず、そのままハリーに寄りかかるようにして倒れてしまったのだ。

「ひ・・・秘密の部屋を・・・見つけて・・・お願い・・・」

美女はそう言い残すと、ハリーの腕の中で静かに息を引き取ったのだった。

優秀な刑事ではあるのだが、死体を見ることが苦手なハリー、なるべく死体を見ないように目を逸らしながらも、的確に行動していた。

「ポッター、悪いが休暇は中止だ。事件だ。すぐに来てくれ」

いつも冷静なハリーらしく、手早く地元の警察に連絡、そしてアッケラカンとゴルフを楽しんでいたポッターを呼び寄せるのだった。

「なるほど、酷い殺し方するねぇ」

ポッターは死体を前に楽しそうに笑った。ゴルフウェアのまま、右手に三番アイアンを握り締め、楽しそうに笑った。飽きれるほど事件が好きなのだ。事件と聞き、ゴルフをやっていたそのままで現場に急行してきたのだ。その横でハリーは目を背けて青い顔をしていた。

「おい、ハリー、見てみろよ」

「なんだい?俺が死体を見れないのは知ってるだろ」

「いいから、見てみろ。古めかしい鍵が女の手に・・・」

死体の右手には年代物の古めかしい鍵が握られていた。

「どう思う?ポッター?」

「女が死ぬ間際に残した「秘密の部屋」という言葉、そしてこの鍵、何らかの関連性があるのは間違いないだろう」

いつものように事件について議論しあうハリー&ポッター。そこに大きな怒号が響き渡る。

「そこまでだ!管轄が違う刑事は出て行ってもらおうか」

恰幅の良い、やや年の行った刑事が立っていた。アリゾナ州警察のダニエル、彼はロス市警のハリー&ポッターが現場を荒らしたと怒りを顕にしていた。

現場を追い出されたハリーとポッター。しかし、彼らにとって管轄なんて関係ない。ロスでもアリゾナでも殺しは殺し。許せない悪であることに変わりは無いのだ。黙って悪を見逃すなど、二人には出来ぬ相談だった。

地道に聞き込みを続けるハリーとポッター。その地道な捜査が実ってか、路地の角でタバコ屋を経営する老婆から有力な情報を得ることが出来た。

それは、この地方に古くから伝わる不老不死伝説だった。「アリゾナの不老不死伝説」と呼ばれるこの言い伝えは、「秘密の部屋に通じる鍵を手に入れ、秘密の部屋の扉を開けたものだけが、不老不死の雫を手に入れることができる」というものだった。今時子供でも信じない、おとぎ話みたいな言い伝えだった。

「なるほど、不老不死伝説か・・・じゃあ、あの死んだ女が持っていた鍵は・・・秘密の部屋に通じる鍵?」

「とりあえず、あの鍵をもう一度調べるしかないな」

こうして2人は、証拠品として押収されている鍵を調べるため、アリゾナ州警察へと向かうのだった。

「ダメだダメだ、管轄の違う刑事に証拠品を見せるなんてできない。とっととロスに帰りやがれ」

アリゾナ州警察のダニエルはマルボロを吹かしながら仏頂面で言った。どうしても見せる気はないようだった。2人は諦めて警察署を後にするのだった。

で、ここからはさらに色々あって、また女性が殺されたり、警察署から鍵が盗まれたり、事件が急転直下の様相を示しますが、この辺の部分は割愛。

で、色々あってハリーとポッターは事件の核心部分に迫ります。この、不老不死を手に入れられるという「秘密の部屋伝説」を巡った連続殺人事件、そのラストステージは建設中のビルの中でした。

ここに犯人を追い込んだハリーとポッター。しかし、ちょっとしたミスから2人は分断されてしまいます。で、いともアッサリと犯人に捕まってしまうポッター。ホント、ポッターはいつも犯人に捕まってしまうのです。その情けなさが、このシリーズを通しての見所でしょうね。

で、機械室みたいな場所で監禁されるポッター。それをハリーが助けようとします。

でまあ、この辺がクライマックスで、ネタバレを防ぐために多くは語りませんが、スピードを落とすと爆発する爆弾を乗せたバスに乗ってカーチェイスを演じてみたり、地球に激突する隕石をロケットに乗って爆破しに行ったり、トンネルの向こうの不思議の街の風呂屋でハリーが働いたりと、ポッターを救出するためにハリーが大車輪の活躍をします。

で、最終的にはビルの屋上で犯人と対峙。

「ついに見つけた、ここが秘密の部屋だ!さあ、開け!秘密の部屋よ!」

盗まれた鍵を手に、秘密の部屋を開けようとするその男は、他でもないアリゾナ州警察のダニエルだったのです。そう、ヤツが犯人だったのです。

で、怒ったハリーとダニエルが格闘するのですが、ここがなんといっても見所。なんでもカンフーやテコンドーをふんだんに取り入れたアクションらしく、非常に迫力があります。おまけに、あまりに過酷な撮影のためか、このシーンの撮影中にADが3人死んだらしいです。

最終的に格闘に負け、ボッコンボッコンにされたハリー、ダニエルは秘密の部屋を開けようと扉に鍵を差し込みます。

しかし、開かない。何をどうやっても開かない。

「言っただろ、秘密の部屋なんてただの伝説さ、そんなもの存在するはずない」

颯爽と表れたのはポッターでした。そして、見事にダニエルをボコボコにするポッター。ポッターは空手をちょっとかじってますから、殴り合いの喧嘩は得意なのです。

逮捕される寸前、ダニエルは涙します。

「どうして・・・どうして・・・扉が開かないんだ・・・メアリー・・・」

そう、彼は、不治の病を患い植物人間状態にある妻を救うために秘密の部屋を探していたのです。妻のために不老不死の雫を探し、悪事に手を染めてしまったのです。

「なんとも悲しい事件だな・・・」

寂しそうに言い放つポッター。そして、後に続くセリフこそがこの映画の本質だと思いました。

「秘密の部屋はみんなの心の中にあるのさ、黒人も白人も関係ない」

感動しました。

誰もが心の中に持っている秘密の部屋、そういや、僕の部屋も怪しげなエロ本満載で、秘密と言えば秘密だよな、そう感情移入してしまい、気付けば僕の頬に涙が伝っていました。

ハリー・ポッターと秘密の部屋レビュー、おわり


やっぱ酷い日記だわ、これ。

関連タグ:

2004年 TOP inserted by FC2 system