15分トライアル日記

15分トライアル日記

1/8-1の日記は、ミスをフォローするため、急遽15分で書き上げた日記なのですが、なんだか15分で書くというその行為に妙にはまりました。ということで、15分で何処までかけるかを主題に、「15分トライアル日記」にチャレンジします。

途中までしか書けてなくても、オチがなくても執筆時間が15分経過したらそのままアップ。そんな、とんでもない挑戦をしてみようかと思います。それではどうぞ。


1/8-2 お父さんの顔

僕の職場には、それこそ様々な年齢層の人がいまして、僕より随分と年上の人や、かなり若い若造などもいるわけなんです。まあ、それってば普通の職場ではわりかし当たり前のことなんですけど。

でね、やっぱり年齢層が様々だと、色々な立場の人がいるわけなんですよ。

僕と同じ年ぐらいなのに、妻もいて子供もいて、立派に家庭を築いている人。離婚してバツイチになっちゃって、子供の養育費やらでてんてこまいの人。やっぱ僕くらいの年齢になるとそういう人って多いのですよね。

僕と同じ年で、既に家庭を背負っていて子供を育てることが生き甲斐になっている人。それは凄く立派なことだと思うし、すごく頼り甲斐があって素敵なんですよね。

でまあ、同じ年でも僕なんかは、すっげえ子供っぽくて、背負うべき家庭とか子供とかいないから、なんていうか、幼いんですよね。全ての行動が。

それでもやっぱ、そんな家庭を持っている人も、子供っぽい僕も、職場では同じ立場でして、並んで頭を垂れてウンコ上司に怒られていたりするんですよね。同じようにエロサイトを見て大騒ぎしたり、同じようにプロ野球カードを集めたり、やっぱ年相応で同じなんですよ。

でもね、彼らはひとたび子供のことになると違うよ。それはそれは立派でさ、一緒に上司に怒られているとか、エロサイト見てるとは思えなくなるもんな。子供の話とかしてるときの彼らは、間違いなくお父さんの顔になってるもの。

やっぱさ、普段は27歳相応のバカっぷりって言うか、若さを発揮してても、子供のこととか家庭のことを考えると急にお父さんになっちゃうんだろうな。明らかに顔つきが違うもの。すげえよな、家庭とか子供って。

まあ、僕もそういうのを持つようになったら、例外なくお父さんの顔になるのかどうかは疑問なんですけど、とにかく、同僚や友達がふいに見せるお父さんの顔って結構好きなんです。普段のアホさからは考えられない頼りがいのある顔が結構好きなんです。

そういえば、以前にこんな出来事がありました。

まだ若かりし頃、僕は職場の同僚と連れ立って日曜日に近くの女子高の学園祭に行ったのですよね。同僚どもと「若い女のエキスを吸う!」とか豪語しながら、連れ立って行ったのです。

で、女子高の学園祭ってすごいのな。若い女子高生が、エプロンとか制服とかで普通に歩いているの。同僚と、「おいおい、イメクラだったらこれだけで5000円は取られるぜ!」とか興奮しながら、学校内を闊歩したものですよ。

で、歩いていろいろな店とか出し物を、いやむしろ女子を見ながら徘徊していたのですけど、すると前の方から見覚えのある人が歩いてくるんですわ。もう、なんでここにアナタが?って思うような人物が歩いているの。

いやな、我が職場のウンコ上司。ヤツが週末パパみたいなカジュアルな服着て歩いているわけよ。

もうね、脱肛するんじゃないかって勢いで驚いた。見た瞬間にその場にシリモチつくくらいの勢いで驚いた。だってさ、女子高の学園祭にウンコ上司だぜ。ピンク一色の中にポツンとウンコ色があるようなもんだぜ。女子高とウンコ上司が全然繋がらない。

でまあ、同僚のヤツが、見なかったことにしておけばいいものを、

「こんちわ、どうしたんですか?こんな場所に?」

とか話しかけるもんだからさ、折角女子高に女の子を見に来てるのに、いつもの職場の如く上司と話をすることになったわけよ。ホント、女子と上司じゃ発音は似てるけど大違いだよな。

「いやなー、ウチの娘がここの学校なんだわ、せがまれるもんだから学園祭を見に来てな、がはははは」

とか、言い放つ上司は、普段の職場での厳しい顔と違い、間違いなくお父さんの顔だった。コイツもやはり人の親か、そんな顔も出来るんだなって妙にホッとしたな。

「へぇー、そうなんですかー、まさかこの高校だったとは」

とか、僕も対して興味も無いのですけど、それなりに話をあわせたりするんです。

でまあ、女子高生といえば、僕も同僚も異常な喰いつきを発揮するわけなんですけど、そこはやはり上司の娘、女子高生というブランドをかき消すほどのマイナスポイントが存在するのでしょね。

まあぶっちゃけ、以前にその娘さんに会ったことあるのですけど、上司の娘って上司と同じ顔なのな。もうクローンじゃねえかってくらい同じ顔なのな。

それを知ってる僕と同僚は、やっぱ、いくら女子高生でも上司の娘に興味ナッシングなわけなんですよ。

で、上司のヤロウは、休日で娘の姿が見れて上機嫌なのか

「お前らナンパしに来たんだろ。ウチの娘には手を出すなよ!がはははは」

とか、またもやお父さんの顔で言ってました。それを聞いた僕と同僚は心の中で「ありえねえ、あんたと一緒の顔の娘なんて・・・」と思いながら

同僚「美人ですもんね、お父さんとして心配じゃないですか?」

僕「いや、それは勘弁」

とか言ってました。うん、なんというか、僕は真顔で拒否させてもらったよ。

結局ですね、僕と同僚では背負ってるものが違うのですよ。彼は家庭もあるし、守らねばならないものが沢山ある。それだけに、ここで上司の機嫌を損ねては大変なことになる。それが分かってるわけ。

だからね、思ってもないこと、心にも無いことでも言っちゃうわけ。上司の娘なんて有り得ないと思いつつ、それでも機嫌を取っちゃうわけ。子供の話とかしてるわけじゃないのに、家庭を守ろうとする同僚の顔もこの時は間違いなくお父さんの顔だったよ。

その反面、捨てるべき物が無いバカは強いよな。上司に向かって「アンタの娘は勘弁」だもん。もう、特攻隊より勇ましい。というか、こういうのは勇ましいとか正直とかじゃなくて、間違いなくバカって言うんだろうな。

お父さんの顔で娘を語る上司。そしてお父さんの顔で家庭を守ろうと心にも無いことを言う同僚。なんだか、どいつもこいつもお父さんしやがって、と妙に羨ましかったのでした。自分も早くバカを脱却し、お父さんの顔になりたいなと。

でもまあ、同僚は、守るべき家庭があるのに女の子を見るために女子高に来ている時点で、何かを大幅に間違えてるけどな。


14分20秒完走

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