意地

意地

唐突だが意地ってのは大切だと思う。コレがなくちゃ生きている意味がない。空気と一緒だ。全てに対して意地っ張りになれと言っているんじゃない。それはただの意地っ張りだ。問題は、何か一つ譲れないものを決めて意地になれということだ。

こう言うと親父臭いというのは分かっているのだが、いまの若者には意地が足りない。極めが足りない。

全てがある水準まで達しているのだが、全てが万事そうで、マイナスにもプラスにも突出したものがないのだ。できのいい国産車みたいだ。

だから僕は若者と話す機会があるときは言っている。アメ車になれと。

アメ車は決して優れているわけではない。むしろ劣っているかもしれない。しかし、国産車にはない個性がある。

僕は平均的になんでもこなせる人間よりも、多少出来は悪いがアメ車のように個性ある人間が好きだ。そういう人間がどうしようもなくかわいい。

個性的な人間には意地がある。譲れない何かがあるから個性的なのだ。

今日は若者と飲みに行った。

俺はまたいつものように説教した「アメ車になれ」と。親父臭いのはわかっている。
若者達は真剣に俺の話に耳を傾けていた。可愛いものだ。

俺の声はどれだけ彼らに伝わっただろうか。

若者達は真剣に、やれシボレーがどうしただの、クライスラーがどうしただの、ハマーがなど話し合っていた。どうやら俺の声は伝わったが心までは伝わらなかったようだ。

俺は飲みなれぬウィスキーを普段より多めに飲んだ。

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