外国人と外人

外国人と外人

とめどなく送られてくるウィルスメールに涙がとまりません。メールサーバーの時点で排除されて手元に届くので、たいした被害はないのですが、気分が良いものではありません。正直、「僕、何か悪いこと書きました?」という心境です。アクセス数1000前後の弱小サイトでこれだけウィルスメールをもらうと凹みます。勘弁してください。

さて、最近、多くの学生の前でお話する機会があったのですが、最近の若者は凄いですね。何がって髪の色が。こう書くとオッサン臭いというのは自分でも分かってるのですが、赤や茶色や緑や青、色とりどりのヘアカラーが華麗な色彩を醸し出していて30人も若者が揃うと、ここは南米のジャングルか?と思うほどのカラフルさがあります。

ま、そんな事を書いて髪が赤い人からウィルスメールとか送られてくるようになったら嫌なので、話題を変えますが、その中に数人の留学生の方がおられました。東南アジア方面から来られている方たちが真剣に私の話に耳を傾けていたのですけれども、どうやら彼らはあまり日本語を理解できていない模様。

僕は比較的早口なんですけども、あまり日本語を理解していない人にはかなり聞き取りづらいようでして、多少困惑した表情をしておられました。「ああ、悪かったな。もっとゆっくり喋らなきゃ」などと思い、多少ゆっくりと喋ることにしました。

それはそれでよかったのですが、今度は話の内容が日本独特の文化に抵触する内容になってきまして、おそらく留学生の方達には全く理解できないような内容になってきました。「うーん、彼らに理解できるかなぁ」などと心配になり、少し細く説明をすることにしました。

「この現象は、日本独特のものでちょっと外人の人には分かりづらいと思いますので補足しますが・・・・」

このセリフが失敗でした。おもむろに1人の留学生が立ち上がり

「ガイジントイウコトバハ、サベツヨウゴデス。テッカイシテクダサイ」

と言われました。もう彼は顔を真っ赤にして怒っているのです。

私が無知で知らなかったのですが、既に「外人」と言う言葉は排除され「外国人」と極力言うようになっているらしいですね。プロ野球の「外人選手」もアナウンサーが「外国人選手」と言い直しますし、「外人墓地」も「外国人墓地」と表記されるようになりました。完全に「外人」という言葉は日本人以外の人を蔑んだ言葉として認知されているようです。

思うに、言葉というのは非常に脆く危ないものだと思います。自分にはそんな意思はなくとも、単語に包括された意味合いに引っ張られ発言内容自体の伝えたいことを飛び越し、相手に伝わってしまう。

どんなに心情的には蔑む意味はなくとも、蔑んだ意味を包括した単語を使ってしまえば、相手には蔑んでいると思われてしまいますし、逆にどんなに綺麗な言葉を使ったって、心情的に蔑んでいるならば、今度はその単語の意味すら危うくなってしまう。

日常的に蔑んで使っていた言葉が変化し、多くの差別用語に差別的な意味合いが包括されてしまったのではないかと思うのです。

そういった意味では、自分の言葉に責任を持つ必要がありますし、単語に含まれる暗黙の意味合いについて知らなければなりません。知らず知らずに人を不快にさせる言葉、そして表現。これには気をつけなければと思いました。

冒頭のウィルスメールも、私の言葉の中の何かを不快に感じた方がガシガシ送っているのかもしれません。

テキストサイトって難しいね、と思う今日この頃です。

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